みなさん!知ってますCAR?

2016年10 月 1日 (土曜日)

台湾製の伸縮式差替えドライバー

台湾ツール(手前)  「あんな危ないドライバーを紹介するのはどうかと思うね? しかもメジャーな工具と比較するなんて・・・」
  そんな良識派の声が聞こえてきそうだが、面白いから、近所の(といってもクルマで30分ほど)のホームセンターで見つけたユニークなドライバーをあえて検証してみたい。
  商品名は『伸縮式差替えドライバー』とある。輸入販売元は、大阪府堺市にある「コーナン商事」である。軸に小さなドット(へこみ)を設けてあり、グリップ内部でこのドットをくわえ込み、ホールドする機構。グリップ根元のリリースリングを手前に引いて、軸を好みの長さにすることができる。軸自体の先端部はプラス2番と、逆側にマイナスの6ミリがあり、使い分けができる。グリップは硬い樹脂の上に比較的ソフトフィールの赤い樹脂がかぶせてあり、親指があたる部分はえぐり形状で、グリップフィールは悪くない。
  実は、これドイツの「WIHA(ビーハ)のソフトフィニッシュ・テレスコピック」(写真後方)を大いに参考にしたと思われる。
  ところがノギスで身体検査してみると、細かいところで大いに異なる。たとえば軸の6角部の二面幅が、本家本元は6ミリだが、こちらは、6.4ミリと太い。ドットの間隔は本家本元が3.5ミリのところ、5.6ミリとかなり広い。一番気になる軸のガタは、本家本元とさほど変わりがなく、いずれも“やや多し“の感覚。もうひとつのポイントは、伸縮のしやすさだが、ドイツの方はプッシュボタンがやや小ぶりで軍手だと難しい。しかも軸の動きが渋いのに対し、台湾は至極スムーズに出し入れできる。最少長さ・最大長さを比較すると、台湾が180-270ミリ、ドイツが160-230ミリ。より短くして使いたい場合はドイツが一枚上手だ。
  価格はどうか?台湾が578円に対し、ドイツは、その6倍の3520円。先端部の精度はむろんドイツが二重丸になるだろうが、これってどうみる? だから、工具は面白い!

2016年9 月15日 (木曜日)

よくできた樹脂製の踏み台

踏み台A

踏み台B

  アイディア商品とは、2つのカテゴリーがある。ひとつは、これまで誰もが考え付かなかったまったく新しい商品。もうひとつは、従来から似たようなものはあったが、ひと工夫ふた工夫で、思いもよらなかった斬新な商品を生み出したケース。3分間で出来上がるインスタント・ラーメンが前者なら、後者はスティーブ・ジョブズが開発の中心にいたⅰPhoneかもしれない。
  先日︎アメリカン・タイプの倉庫型巨大スーパーマーケットCOSTCOで見つけた「フォールダブル・ステップ・スツール(無理に日本語に直すと、“折り畳み式踏み台”)」も、まさに後者のカテゴリーである。
  工具はおろか、人のチカラさえも不用! 上部の取っ手を持つだけで、踏み台だったのが、あっという間に薄型物体(厚み30ミリ)に変身する。逆に踏み台にするときは、上部を手で押し広げるだけで、チカラは限りなくゼロ。バージン材の樹脂を採用しているとはいえ、これでよく100kgの荷重に耐えられるものだと、ふとクエスチョンマークが浮かぶ。裏側をのぞくとなるほど合点がいった。20ミリ間隔にリブ(RIB:肋骨の意味)が施されているのだ。これなら100kg近いデブがのっても大丈夫と思われる。
  使い方は、踏み台としても使えるが、タイヤまわりの修理をするさいの腰掛け椅子として重宝する。価格は、高さ22センチと39センチの2個セットで、1、390円とバカ安だった。ちなみに、ヘルスメーターを引っ張り出し、重さを測ったところ、高さ22センチが1050g、39センチの方は1530gだった。数字でも軽いことが確認できた。

2016年9 月 1日 (木曜日)

名称はPROだが、いささかお手軽な家庭向けドライバー

SUNFLUG  ドライバーの世界ほど、何でもあり!の世界はない。
  たとえば、SUNFLAGの「ラッチェットPRO」は、家庭でちょっとした作業には、ベストフィットであるが、バイクやクルマの整備に本格的に向き合うには、いささか危なっかしいというか、役不足である。
  1/4インチ(6.35ミリ)の汎用ビッドを流用でき、ラチェット機構を持ち、付属のビット自体(全長110ミリ)が+1番、2番、3番、それにマイナス6.0の両頭タイプ、ハンドルエンド部には「ヒートン回し」といってプラスアルファの機能も付いている。≪これ1本でいろいろできそう≫なので、いっけん、なかなかよく出来ているように見える。
  ところが、肝心のラチェット機構は、わずか10ギアで、なんとも心もとない。ギアフィールは軽すぎ、軸自体のブレが大きすぎて高級感とは程遠い。左右の切り換えは、グリップのスライドボタンを動かすのだが、指で押すとへこみ、軍手で動作させようとすると上手く動いてくれない。
  近くのホームセンターで、わずか805円(いまどき日本製でこのプライスは凄い!)で入手した製品。だから「文句言うなよ!」という声が聞こえてきそうだが、それなら間違ってもPROという名称を商品名に付けてもらっては困る。ホーム用とすべきだ。PROとあればプロ向けと思い込み、購入したお客がガッカリして、そのブランドを結果として貶めることにもなりかねない。大阪の老舗ドライバーメーカーSUNFLUGだけに期待値は大きいのである。

2016年8 月15日 (月曜日)

不思議感覚120%! 3/8インチの異種ソケットセット

5種類のボルトに対応  世の中には不思議きわまる工具がある。
  「5種類のボルト・ナットに対応できるオールマイティソケット」というキャッチコピーが付く3/8インチのソケットセットも、さしずめこの仲間である。ソケットの内側を覗くと、例の台湾ツールであるホニーソケットと限りなく近い。内壁に12個のピンを取り付けた形状に近い。5種類と謳ってはいるが、サイズによっては3あるいは4種類のボルトにしか(しか、と書いたが3種類だってすごい!)対応しない場合もある。満足に5種類のボルト・ナットに対応するのは、8個のうち2個だけ。
  たとえば10mmのソケットでいえば、通常の10ミリの6角ボルトのほかに、4角ボルトの8ミリ、6角インチサイズの3/8インチ、ヘックスローブボルトのE12、それにスクエアトリプル・ボルトのサイズ12。「スクエアトリプル」というボルトは聞きなれないが、欧州車にこのところよく使われているトリプルスクエア(XZNボルトとも3重4角ボルトとも呼ばれる)の逆バージョンのようだ。
  とにかく、このソケットレールセットは、2兎を追うどころか3兎~5兎を追う工具。あげくに・・・「1兎をも得ず」になりそうな感じもする。インチネジなど、ふだん見慣れないボルトやナットに対面したときに、フト思いだしたように工具箱の奥の方から持ち出す・・・そんな工具なのかもしれない。肉が薄いのでインパクトとしては絶対使えそうもない。台湾製で、購入価格は1380円(税別)だった。発売元は、㈱三共コーポレーション 電話06-6252-1712。

2016年8 月 1日 (月曜日)

ANEXのスリムオフセット6角レンチ

ANEX  増加しつつあるヘキサゴンボルトを脱着する工具として、L型のヘキサゴンレンチは、いまや必需品。
  ところが、L型ヘキサゴンレンチには、形状的にぬぐいがたいウイークポイントがある。文字通りL型に曲げているため、狭いところにあるボルトに対応できない点だ。短軸を思い切って短くした製品もあるが、たとえばサイズ5ミリでいえばせいぜい12ミリ、13ミリどまり。作業によっては、より低頭タイプが求められている。
  新潟の工具メーカーANEX(兼古製作所)はこのあたりの需要を見定めたような製品を登場させている。「スリムオフセット6角レンチ」である。この背品の面白みというか凄みは、板金の柄に6角のビットを取り付けた2ピースタイプ(2つの構成部品!)という点だ。“単能タイプの板レンチ”といえなくはない。板金製の柄は、幅広くできるので、押し付けるチカラが得られるデザインだ。しかも板金を黒ペイントにして、白文字を浮かび上がらせた悪くないデザイン。
  サイズは、2.5ミリ、3、ミリ、4ミリ、5ミリの4種類。近くのホームセンターでの購入価格は、548円(サイズ5ミリ:品番6103)とリーズナブルだった。全長110ミリ、重量27グラム(サイズ5ミリ)。4本のセットで、1700円前後で手に入るようだ。

2016年7 月15日 (金曜日)

台湾製のマグネット付きラチェットレンチ

マグネット付きRレンチ  コンビネーションレンチのめがね部にラチェット機構を組み込んだ工具は、いまやポピュラーである。これはさらに一歩進めて、めがね部にラチェット機構だけでなく、マグネット機構をプラスしたものだ。ギア数は細かく72なので、送り角5度。
  これで何がアドバンテージかというと、作業中に落下して、紛失しがちなナットをホールドし、確実に作業がやりやすい点だ。ナットだけでなく、ボルトを締め込む際にもマグネットでしっかりホールドしてくれるので、安定した作業ができる。しかも左右の切り換え部がめがね部の根元に付いていて、カチッカチッと小気味よく切り換えできる。めがね部にこうした複数の機能を持たせると、バランスが崩れ作業性を損ないがちだと思いきや、意外やコンパクト設計。なので、通常のタイプと使い勝手はほぼ同じ。めがね部の立ち上がり角度(柄とめがね部のなす角度)は15度。材質はクロームバナジウム(Cr-V)、とある。
  製品名は「GEARTOOL」。台湾製で、販売元は「アークランド サカモト㈱」(電話 0256-33-6010)。サイズは写真の10ミリをいれて、8,12,13ミリの計4種類のようだ。ヨコハマのホームセンターでの購入価格は1180円(サイズ10ミリ)だった。ちなみに、アークランド サカモトというのは、新潟県を中心に巨大ホームセンターを展開する企業のようだ。

2016年7 月 1日 (金曜日)

伸縮式ラチェットドライバー SED-230

ラチェットドライバー  このところ、台湾製のラチェットドライバーが続々上陸している模様である。
  工具の市場は、自動車同様に成熟市場。いかに目先を変え、より便利なような工具をより安く市場に提供できるかが、ここ数年のトレンドになっている。もともと、家庭用でしかなかった「ラチェットドライバー」をプロが使って不満のないところまで商品性を高めたのはスナップオン。いわば先鞭をつけたのがスナップオン。これをテコに台湾工具メーカーが、こぞってラチェットドライバーの新作を登場させているのが、ここ数年のトレンドだといえる。
  今回取り上げる三木市の藤原産業(電話0794-86-8200)が発売元とする「伸縮式ラチェットドライバー」もこうした流れの製品のひとつといえる。台湾製の工具のすごみは、徐々に、品質が高まっている点だ。スナップオンのラチェットドライバーの弱点は、ビット数が少ないことだったが、これはプラス・マイナスのほかにヘックスビット2.5~6ミリまで5個、トルクスビットがT10,15,20と3個、合計12個がハンドル内に納まっている。
  しかもハンドルは一部シースルーにしてあり、ビットが透けて見える。グリップの表面仕上げも好感が持てる。さらに軸が80ミリから150ミリに伸縮できるというオマケまで付いている。価格も1680円と実にリーズナブル。ガタも比較的小さく抑えているし、これ以上何を求める? と言いたくなるが、大きな不満がある。左右の切り換え時のフィールが悪いばかりでなく、目で左右どちら回しなのか、確実に確かめられないのである。ギア数も20とやや物足りない。工具というのは人の手で持つだけに、何かとシビアな評価になるが、それだけに大多数に満足を与えるのは至難の業だということがこの工具を触ってみるとわかる。

2016年6 月15日 (水曜日)

女性でもφ1.8の硬線を片手で切断できる!

パワーアップニッパー  クルマやバイクの整備ではあまりないが、太くて硬い線を切断したいときがある。
  華道や手芸の世界で、針金やピアノ線を使った表現技術が導入されるようになり、これまでのペンチやニッパーではとても太刀打ちできず、困っていたという。
  昔からのことわざ「必要は発明の母である!」を持ち出すまでもなく、やはり必要とされる世界には、人間の知恵がフル活用すべきなのである。
  全長わずか165ミリの赤いグリップを持つニッパーは「パワーアップニッパーPU-266」という名称を与えられているが、一見すると普通のニッパーのようだ。ところが、使ってみると、だんぜんすごい! φ1.8ミリのピアノ線をらくらくカットしてしまうのである。軟線ならφ2.3ミリまでOKだ。このパワフルニッパーには2つの秘密があるようだ。
  ひとつは「マルトロイ」と呼ばれる高級なクロームバナジウム鋼を採用している点。2つ目は、よく観るとわかるのだが、支点を2つにすることで、テコの原理を2倍に働かせ、チカラが2倍になる工夫をしているのである。だから、非力な女性が使っても、大きなチカラが刃の部分に伝わり、楽に硬線を切断できるというわけだ。重量は160グラム。マルト長谷川工作所(http://www.keiba-tool.com

2016年6 月 1日 (水曜日)

フレアナット・ギアレンチ

スエカゲ 1

スエカゲ 2

  フレアナット専用のレンチである。
  フレア(FLARE)とは、辞書で調べると「(器物が)張り出す)という意味。ここでは、パイプの端部にあるジョイント用のナット。円錐状に広げてシールする構造のジョイントナットをさす。通常のメガネレンチでは、パイプを越えられないので、使えない。でもパイプを越えられる、スパナとなると、相手の6各部に当たる面積が少なすぎ、なめるおそれが十分ある。とくにナットが真鍮などでできている場合、二面幅が10ミリと比較的小さいこともあり、カドを舐めるトラブルを引き起こす。そこで、フレアナットレンチと呼ばれる特殊工具(ユニバーサルSST)の登場となる。これは、先割れメガネとも呼ばれるもので、パイプをくぐり、しかも相手の6角部にがっちりトルクを伝え、カドが舐める不具合を排除しているのである。
  しかも、この製品(品番FNG-10)は、先割れメガネ部にラチェット機構を組み込んでいる。ギア数が72ギアと多いので、最小の振り角度がわずか5度。つまりタイトなところにあるフレアナットの緩めや締め作業にとても具合がいいという理屈。ちなみに通常のソリッドタイプだと6角なので振れ角度60度だ。ナットのあたり部分は、カドを逃がす形状で黒色の焼結金属のようだ。本体と内6角部の間のギザギザの付いた部品は樹脂製だ。樹脂製なので、赤と黒の色で差別化し、赤が上だと「緩め」作業(写真)、黒が上だと「閉める」作業ということが一目で分かる。価格は、国産車の大半が使える10ミリで3800円とやや高め。全長160ミリ、重量87g。サイズは8,10,11,12,13,14ミリの6サイズがある。さらに狭いところで使いやすいメガネ部が首振りのフレックスタイプもある。ただ、イタリアのアルファロメオなどでは確か9ミリが使われているが、そのサイズはいまのところないようだ。スエカゲツールのプロオートだ。http://www.suekage.co.jp

2016年5 月15日 (日曜日)

ベッセルのレインボールL型レンチ9本組み

ベッセル1

ベッセル2

  ヘキサゴンレンチは、いまや数多くあるが、注目すべきはベッセルだ。「レインボールL型レンチ9本組み」である。通常の6角鋼材ではなく、特注の引き抜き材を採用している点が他メーカーのヘキサゴンレンチと一線を画している。カラーがレインボーカラーなので、いっけん同じように見える鋼材だが、サイズ1.5を除き、よく見ると6面のうち3面が直線ではなくウエーブ面としている。フラット面が6角穴の変形を防ぎ、ネジと工具へのダメージを抑制。ウエーブ面が駆動角を小さくし、駆動効率を高めるという。コンピューター解析とトルク伝達の測定、実荷重試験を繰り返し求めた形状という。
  このあたりの理屈は正直分かりづらいが、要は、応力の集中を分散すること、つまり一点に力を集中させないことで、トータルとして伝達トルクを高め、工具やネジのダメージを劇的に小さくできる。ベッセルでは、このカタチを「ウルトラヘックス」と呼んでいる。断面形状でヘックスにまつわるトラブルを小さくしただけでなく、ボールポイント部もほかと異なる形状をしている。先端が尖った槍形だ。これは、クビレ部の断面積を小さくすることなく、倒れ角度を高めるためにデザインで、通常のボールポイントにくらべ、キャップスクリューの穴の少し上部に工具が当たる。
  ということは頭部が薄いボタンキャップや化粧ネジには使えないということだ。通常のヘキサゴンボルトには、塗装した地をメッキから黒染め仕上げにしたことで、そのぶんメッキ厚みがなく大きな角度を得られた。なんと最大傾き角度38度で、つねにボール部が回転の中心となりスムーズに動かせる。首部強度を保ちながら本締めができるのが、最大のアドバンテージ。樹脂製ホルダーには、マグネタイザーと呼ぶ磁石を付属していて、スライド式で簡単に取り外しができ、レンチに近づけ励磁、または取り付けることで、ボルトのキャッチ機能を持たせることができる。http://www.vessel.co.jp/

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