みなさん!知ってますCAR?

2014年4 月 1日 (火曜日)

新感覚の精密ドライバー

ベッセル  「精密ドライバー」というのは普通のドライバーとは少し異なる世界である。
  メガネの小さなビス、電子基盤で使われている小さなビスやパソコンで使われているビスなど、とにかくプラスなら1番とか、0番あるいは00番というサイズのボルト相手であるから、全体が細身で、指先で回す感じで使う。グリップエンド部がクルクル回ることで、手のひらで操作できるデザインが多い。
  ここで取り上げるベッセルの「Gグリップドライバー」もグリップエンド部が独立してくるくると回る。ところが、面白いのはそのクルクル部にボールが付いていて、手に持つと「自然に重力でそのボールが付いている部分が下部」にきて、ちょうど握ったときに小指と薬指がそこに当たり、ぴたっと密着するのだ。親指と人差し指があたる部分はくびれていて、しかも縦溝があるので、きわめて回す作業をしやすい。ただ、エンド部が重いので、動いてカタカタと音が出るのは愛嬌だ。
  このシリーズはプラスタイプ、マイナスタイプ、それにトルクスタイプの3つがあり、マイナスは、先端部がフラット形状にしてあるので、頭の溝にピタリと納まり、マイナスビスにありがちなトラブルのカムアウト(横滑り)しづらく、安心だ。
  写真のトルクスにもひと工夫がある。先端部にS字型のスプリングをレーザー溶接で取り付けてあるので、相手のトルクスネジにしっかりとキャッチし、うっかり下に落ちる心配を排除している。サイズはT3からT20まで9サイズだが、このマジックスプリング機構が付いているのは、T6以上だという。http://www.vessel.co.jp/

2014年3 月15日 (土曜日)

砲金サンドイッチ構造のラジオペンチ

KEIBAのラジオペンチ  砲金という合金をご存知だろうか?
  調べてみると、銅90%、スズ10%程度の組成の銅合金のことで、靱性(粘り強さ)に富む性質があるところから、昔から大砲の砲身の材料として使われていた。成型が比較的容易で、耐摩耗性や耐腐食性にすぐれている。
  この砲金をジョイント部(可動部)に使ったラジオペンチがある。
  マルト長谷川の『ハイグレート ザ・ラジオペンチ』がそれ。よく見ると可動部が黄色身を帯びている。リターンスプリングが付いていないのがやや不満だが、グリップはブルーとイエローのツートンカラーで、しかも表面が細かい凹凸があり滑りにくい工夫がある。カタログには水に濡れても滑りにくい、とある。実際水でぬらしてみたがグリップそのものがガクンと落ちるが、すぐ乾きグリップ力が元に戻る感じがした。
  ラジオペンチで一番のポイントは、掴んだとき先端部がよじれるかどうかだが、ドイツのクニペックスに近いフィールと見た。ちなみに、カッター部分の切断能力は硬線でφ1.6ミリ、軟線ならφ2ミリだという。
  マルト長谷川の商品のブランド名はKEIBAというのだが、KEIBAには砲金サンドイッチ構造のペンチやニッパー類が多くラインナップされている。http://www.keiba-tool.com

2014年3 月 1日 (土曜日)

両手タイプのハンドリベッター

リベッター  初歩的知識だが、締結の手段はボルトナットのほかに、接着とリベット、溶接がある。
  このなかで、「リベットで留める!」というケースがたまに遭遇する。ナット側に手が入らないときだ。つまりボルトナットは、たとえば2枚の板を留めるとき両側からの作業となるが、ナット側が袋状になっていたりして手が入らないと、リベットの出番となる。
  リベット(ブラインドリベット)というのは、リベット本体(フランジ)とシャフトで構成され、リベッターでカシメ、最後に余分なシャフトをカットする。サンデーメカニックが使うのは「ハンドリベッター」だ。ブラインドリベットの素材はアルミ、鉄、ステンレスで、リベットサイズはφ3.2、φ4.0、φ4.8。
  ところが、それより大きいφ6.4というのもある。筆者が先日遭遇したのは、まさにこれ。トライアルバイクのシートのブラケットのリベット径がφ6.4ミリだった。余計な情報だが、林道ツーリングでマシンがまくりあがる大転倒をしたとき、見事に破損したのだ。
  修復すべき、リベット径は6.4ミリ(インチでは1/4インチ)。ホームセンターなどで見かけるポピュラーは「片手タイプのハンドリベッター」では間に合わない。両手タイプのものでないとチカラが入らずカシメることができないのだ。
  そこで、いろいろなところを探し、ようやく探し当てたのが、ストレート。品番12-1260というものだ。台湾製らしいが、これがなかなか使えるのだ。価格が、驚くべきことに2480円とウソみたいな低価格。大きく見えるが全長320グラム、全長1050gである。(http://www.straight.co.jp/

2014年2 月15日 (土曜日)

ドイツ・ウルトのラチェットドライバーの完成度

ウルトのラチェットドライバー  ドイツには≪WURTH(ウルト)≫と呼ばれる工具メーカーがある。
  今回はそのウルトのラチェットドライバーを取り上げる。このラチェットドライバーは、グリップのデザインや色使いなどで、いっけんスナップオンと似てはいる。グリップが折れ曲がりガングリップタイプにもなるところも,やけに似ている。
  ところが、グリップエンドキャップを開けると顔を出す付属のビット数をながめると、スナップオンのビットの少なすぎ(確か2個だけ!)を思いだし、こちら(ウルト)のほうにがぜん味方したくなる。プラス1番と2番、マイナス0.8×5.5、ヘキサゴンの4ミリと5ミリ、トルクスの10と20の計7本のビットを内蔵している。その内容が実に心憎い。使い手のこころをよく承知しているようだ。
  左右の切り換えも片手ででき、全体のガタも少ないほうだ。ギア数も45とライバルにくらべ多いほうだ。面白いのは、デラックスタイプには、LEDランプが付いている点だ。軸の根元にプッシュ式のボタンがあり、これを押すと、スイッチ横から2つの光源が相手のネジを照らす仕掛けだ。暗がりでの作業性はこれで格段よくなるはず。www.wuerth.co.jp

2014年2 月 1日 (土曜日)

TONEの新世代1/4ラチェットハンドルの新鮮度は?

TONE  一昔前までTONEの工具というと、質実剛健といえば誉めコトバだが、どこかダサさを引きずったひとりよがりのものが少なくなかった。整備学校をはじめ企業からの大量受注に胡坐をかいていた背景があるのかもしれない。ところが、前田金属工業からTONE㈱に社名をシフトしてから、がぜんカッコよくなりつつある。創業者の前田軍治(まえだ・ぐんじ)氏の精神が蘇ったかのようだ。
  そこで、差込角1/4インチのラチェットハンドル(RH2H)を使ってみた。
  従来型にくらべ、ヘッドがふた回りほどコンパクトになり、全体のデザインも垢抜けしている。グリップの中央がへこんだ形状は、このシリーズ共通のデザインだが、いい感じだ。ギアフィーリングも悪くない。プッシュボタン式なのだが、プッシュボタンの操作性も上々だし、切り替えレバーの操作も違和感なくできる。ギア数は、なんと72もある。この秘密はクサビ式でギアとカムのかみ合うところが常に8段として、ギアをハウジングいっぱいに大きくしているところにあるようだ。
  全長は、145ミリと1/4インチにしてはやや長めだが、全長88ミリのショートタイプ、全長122ミリの首振りタイプ、全長172ミリのロングの首振りタイプ、全長222ミリの超ロング首振りタイプなど1/4インチだけで、7つから選択でき、クオリティと商品群に死角がないように思える。なお、一番オーソドックスな1/4インチラチェットハンドルのRH2Hは、重量が80グラムで、価格が4980円。ただ、リペアキットが3060円というのは、いささか高すぎる。

2014年1 月15日 (水曜日)

頭がもげた、グチャグチャになったボルトを抜くには?

ANEXネジ解決  ボルトやネジにまつわるトラブルは、頭の溝が壊れた、ネジ部が破損した・・・などいろいろあるが、一番ありがたくないのは、≪ボルトの頭がもげた≫ケース。
  大昔、筆者はバイクのフロントフォークのオイル交換をしようとしてドレンボルトを緩めようとしていともカンタンに頭をもげ、四苦八苦したことがある。そんな時、ANEXの『なめたネジを外しビットシリーズ』(品番:ANH2-3)があると心強い。
  頭がもげたときは、なにがなんでも切断面をまずフラットにすること。そのうえにドリルで、できるだけセンターに穴をあける必要があるからだ。フラットにするにはリューターがあればカンタンだが、手持ちのペーパーを細身のドライバーに巻いてシコシコやるしかない。中心にポンチで小さなヘコミをつくり、そこにドリルで穴をあけ、逆タップ(逆ネジ)をねじ込み折れたボルトを緩みとるのだ。もちろん緩みやすいように、充分に浸透潤滑剤を塗布することを忘れないこと。
  この製品は、ビットが両頭タイプで、片側にドリル、もう片側に逆タップが付いている。ビットは、M2.5~M3ミリ用、M4~M5ミリ用、M6~M8ミリ用の3つあり、ネジ径で使い分けること。ステンレスネジの場合、硬いので、付属のオイルを塗布すると加工しやすい。ドリル部は消耗品なので、スペアが付いている。価格は4300円と少し高いが、困ったときに『こんなのがある!』ということを頭の隅においておきたい。http://www.anextool.co.jp/

2014年1 月 1日 (水曜日)

斬新さが売り! ベラのラチェットハンドル8000B

ベラ  ドイツのドライバーメーカー・ベラ(VERA)は、エルゴノミックグリップのドライバーをいち早く登場させ、ドライバー市場でいっきに名を馳せたメーカーとして有名。同じドライバーメーカーであるスイスのPBとは一味異なる製品群を世に送り出している。レーザーチップのドライバーなど付加価値の高いドライバー造りでも注目されている。面接触のトルクレンチでも一頭地を抜いている。
  今回は、そのベラがつくったのが、このラチェットハンドルである。
  驚くべきことは、グリップはベラのドライバーそのもの。ヘッドは丸型でスイングする。ギア数は72もあり、振り角度5度。実に頑丈そうに見えるだけに、重量は3/8インチで304グラムもある。軽いのになると200グラムを切り、平均で240グラム前後なので、かなり重い部類。スナップオンのなかには244ミリと長いものもあるが、この長いタイプよりも6グラムほど重いのだ。重いだけでなく手に持ったときの、重量バランスはあまりいただけないようだ。斬新なだけに少し残念だ。
  このラチェットハンドルの最大の利点は、軸に樹脂製のカラーが付いていて、早回しすることができる。こうした機能は類似製品には見当たらない。少し毛色の変わったラチェットハンドルを持ちたいという、へそ曲がり読者にはお勧めできるが、そうでない方には、あまり薦めたくない一本だ。

2013年12 月15日 (日曜日)

ANNEXのボールポイントレンチ7本組み

ヘキサゴンレンチ  いわゆる通常の6角ボルト(外6角)とくらべヘキサゴンボルトは、頭がコンパクトになるからかもしれない。とくに皿ボルトなどは頭部が丸いので、バイクのシート周辺の多く使われる。
  そんなこんなでヘキサゴンボルトの出番はここ数年徐々に増えている。
  ヘキサゴンレンチは、L型、ナイフ型、ドライバー型、ソケットタイプいろいろあるが、一番ポピュラーなのがL型だ。長軸と短軸が同じサイズで、たいていは短軸が通常タイプ、長軸側にはボールポイント。相手のボルトに斜め方向からでも使える。斜め角度がやれ25度だ、30度だとかまびすしいが、ボルトキャッチ機構あるなしのほうが筆者は大切だと思う。キャッチ機構にも、Cリングを埋めたタイプ、小さな鋼球を仕込んだタイプ、はたまた強靭な樹脂を埋め込んだタイプとあるが、今回紹介するのは、ユニークなマグネット式。付属の赤い樹脂にレンチを通しただけで、着磁、あるいは脱磁ができる。この製品は傾き角度30度。樹脂製のホルダーからの脱着性もすぐれているので使いやすい。
  対辺が1.5、2、2.5、3,4,5,6の7本組み。1.5と2ミリには作業台のうえでもカンタンにつまみやすくするため樹脂グリップをつけている点も良心的だ。http://www.anextool.co.jp/

2013年12 月 1日 (日曜日)

スパナ部でもメガネ部でも早回しOK! トリッキーなコンビレンチ

プロオート  兵庫の三木市にSEK(スエカゲツール)という老舗の工具メーカーがある。プロオート(PRO-AUTO)というのは、そこのメインブランド。常に新しいモノを市場に送り出していることで知る人ぞ知るブランドでもある。
  このなかにある「ラピット・スプライン・ギアレンチ」(品番RSG)というコンビネーションレンチの変り種をぜひ紹介したい。
  コンビレンチとはもともとアメリカのプロト社が考案したもので、片側にスパナ部、逆側にメガネ部を持ち、スパナで仮止めし、メガネ部で本締めする、というのが基本。つまりスピーディに作業ができるラチェット機構とは縁遠い工具だった。
  このレンチは、RAPID(素早い、という意味)というだけにスピーディに作業ができるのがウリだ。スパナ部が独特の形状をしていて相手のナットの6角部を「掴んで保持する」。しかも“締める→戻す→締める”が連続してできるのだ。メガネ部はスプライン形状で内部に72ギアのラチェット機構を組み込んでいる。スプライン形状なので、12ミリのボルトの頭だけでなく、15/32インチ、トルクスのE16、頭がなめたボルトなども回せる。ギアのフィールもチチチッと悪くない。サイズは8,10,12,13,14,17ミリ。黒の艶消し塗装も高級感あふれる。気になる価格はたとえば12ミリが定価3、410円と普通のコンビレンチの2倍だが、充分活躍できるだけにコストパフォーマンスが高いと見た。http://www.suekage.co.jp

2013年11 月15日 (金曜日)

PBのラチェットドライバー「インサイダー3」

PBらチェット  前回に引き続きスイスのPBである。
「  インサイダー3」という愛称を持つラチェットドライバーを入手したのでリポートしたい。
  ラチェットドライバーは、どこかで話したかもしれないが、かつてはプロが使うたぐいの工具ではなかった。かなり昔から、“便利だ”という理由で存在はしていたが、リンクというか、つなぎ目が多くなり、どうしても剛性感が失われ、オモチャでしかなかった。オモチャといって変なら家庭用のツールの世界に収まっていた。日本のドライバーメーカーも何度も挑戦してきたが、どうもうまくゆかない。1本1000円前後のドライバーを作りつつけているドライバーメーカーには、プロ仕様の上等品を創る文化がない、あるいは≪高くてもいいモノをつくれば売れる!≫という思い切った発想の転換ができなかったようだ。
  その点、PBの『インサイダー3』は、悔しいほどに完成度が高い。値段も購入価格9000円弱と安くはない。グリップの赤い部分を指でうしろにスライドさせると、カチッという音がして、そのままグリップエンド部の一部がパカッと開き、ビットが納まるマガジンが顔を出す。ビット数は10本。プラス3本、マイナス3本、ヘキサゴン4本だ。ヘキサゴンは3,4,5,6ミリだ。ビットと脱着はなんの問題もない。ギア数は24とけっして多くはないが、フィーリングはすこぶるよしだ。先端部にはマグネット機能があるのでビットはぴたっと安定する。シャンクがないので、奥まったところのビスにアプローチできない。そんなときには価格が2000円強とやや高いが、別売りの1/4インチ・ビットホルダーを手に入れればいい。全長60ミリと75ミリがある。http://www.kiichi.co.jp/

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