ヘックスボルト(内6角ボルト)がポピュラーになって久しい。
とくにバイクのハンドル回り、エンジン回りはいつの間にか、ヘックスボルトが多数派を占めている。クルマのエンジンルーム内を見回してもヘックスボルトが使われているのは珍しくなくなった。かくして、ごく一般的になったヘックスボルトだが、通常のストレートタイプのヘックスソケットでは、回せないケースがある。ボルトのまわりに邪魔なパーツがあり、工具が届かない場合などである。そんなときに便利なのがボールポイントタイプである。先端部が丸くなっていて、ある程度の角度をつけて使うことができる。ただし、クビレがあるため、不用意に過度なトルクをかけるとトラブルことがあるので要注意だ。KO-KEN(http://www.koken-tool.co.jp)製で、いかにもしっかり作りこんでいる。
差し込み角度は1/4インチ(6.35ミリ)で、サイズは3、4、5、6ミリの4サイズ。価格は各1、120円。
工具というのは手の延長線上にあるため、完成度の高い工具を作るのは想像以上に難しいといわれる。そんな工具の世界で、眺めているだけで、“ココロがなごむ”製品がある。
ハーブムーンレンチがそれ。ハーフムーンレンチは、障害となる部品などがあり通常のメガネレンチが使えないシチュエーションで、実に有効に活躍する半月形状の工具である。実際使ってみると、ストロークが大きく取れないケースが多く、「ラチェット機構付きならもっといいのに!」と思うが、なければまったく対処できないわけで、そう考えると実用度大であることには変わりない。
このハーフムーンレンチ、スナップオンなど一部のブランド工具しか揃ってなかった時代が長かったため、ハンドツールマニアととって憧れの工具だった。形状からだけでなく、心がなごむ、というのはそんな理由があるのかもしれない。その憧れのツールが、なんと610円(10×12ミリ)で手に入る。安いわりにはフィニッシュもまずまずで、メガネ部も切り詰めてスリムだ。12×14,14×17,11×13,17×19,19×21などのサイズもスタンバイしている。求めたのはストレートhttp://www.straight.co.jp/
前回登場した台湾のツールメーカー、MATATAKITOYO(マタタキトーヨー)は、日本語で≪瞬き東洋≫という意味という適当なことを書いたが、実際には≪瞬豊実業有限公司≫だという。
この企業は、1992年の創業というから比較的歴史は新しく、トルクレンチが本業。というのは、創業者が、もともとトルクレンチのエンジニアとして30年以上の経歴の持ち主だという。
写真のプリセットタイプのトルクレンチは、このMATATAKITOYO製の代表的製品で、品番NTP-210N。差し込み角1/2インチ(12.7ミリ)で、40Nmから210Nmまでのトルク管理ができる。ホイールナットのトルク管理にちょうどいい。グリップエンドにスライド式のロック⇔ロックオフ機構を持ち、使い勝手は悪くない。内部のスプリングは日本製だという。検査データが付いていて、その面での品質は心配ないし、樹脂ケース入りなので持ち運びも安心だ。規定トルクになるとカチッという音で知らせてくれる。全長535ミリである。問い合せ先は、(株)アバント(TEL 04-7137-7155)である。
有名ブランドハンドツールの下請け的存在だった台湾製のツールが、ここ数年高いクオリティを誇りつつある。オリジナリティが目覚めてきたこともあり、けっして侮れない工具なのである。
そんな台湾ツールのなかで、注目したいのがMG4という品番のラチェットハンドル。商品名「カーブ・ラチェットハンドル」である。
MATATAKITOYO(マタタキトーヨー)というブランドで、日本語で≪瞬き東洋≫という意味なのかもしれない!?
このラチェットハンドルの面白さは、ギアレスタイプ。これまでのギアレスタイプは、左右の切り替えが目で確かめられず、その都度両手で回して確かめる必要があった。だが、これは、ヘッド部にある黒い小さなプッシュボタン(正確にはフィックス・ノブ、という)を押すことで切り替えができるので、現在どちら回りなのかが分かる仕掛け。この部分は特許だという。
商品名の“カーブド”というのは、グリップがカーブしていることで、いわゆるエルゴノミックな形状。とくに親指がピタリと収まり、疲れることなく作業がはかどるコンセプト。全長が178ミリ、重量が240グラム。今のところ台湾に出かけないと手に入らないツールだ。
ソケット専門メーカーのKO-KEN(http://www.koken-tool.co.jp/)から、いささか奇妙な工具が発売された。
差し込み角3/8インチの「スピーダーラチェット」である。
スピーダーというのは、柄の部分がクランク状をした工具で、レーシングカーの整備のメカニックなどが好んで使うツールである。
この製品は品番3774-SRというのだが、先端部に差し込み角3/8のラチェットを持っていて、もちろんヘッド部を垂直に立て早回しもできる。それだけではなく、ヘッド部を柄と水平位置にして、長い柄を使い大きなトルクをかけて締め付けるときに便利、というものだ。全長は310ミリあるのだ。ギア数は24で、振り角度は、15度。実は、いまのところこの工具を前にして少し戸惑っている。工具箱に入れるに大きく邪魔になりがちだし、とくにこの工具が必要となるシチュエーションがイメージできないのである。少し変わった工具を愛用したい向きにはいいのかもしれない!? 価格は1万400円だ。
とくに小さめのボルトを締めたり、緩めている最中に、ボルトの頭6角部がなめてしまった経験をした読者は少なくないと思う。そんな場合、プライヤーで頭をつまみ回そうとするも、なかなかうまくチカラが入らず苦労するものだ。時間がむやみにたち、眼前が暗くなる!
そんなときに「ナットツイスター」なる工具があると目の前が明るくなる。
ナットツイスターは一見なんら変哲のないソケットのカタチをしているが、内部が特殊なツイスト形状。完全に角がつぶれてしまったボルトやナットにもがっちりと喰らいつき、あっけないほど簡単に緩めることができる。
ソケットツールの専門メーカーであるKO-KEN(http://www.koken-tool.co.jp/)製である。
もちろん差し込み角3/8インチのタイプ(サイズは8ミリ~19ミリ)もあるが、今回新登場したのは差し込み角1/4インチタイプで4ミリから10ミリの10サイズ。価格は2420円~2540円。4,4.5,5,5.5,6,7の6サイズ揃ったセット(価格1万4500円)もある。余談だが、取り外したボルトやナットは再使用できない。
バッテリー液の補充口にあるプラグを取り外すとき、10円玉を使ったり、マイナスドライバーを使うというのが一般的。ところが、こうした「道具」は正確に言うと“間に合わせ道具”に過ぎない。というのは、相手の穴に正確にフィットする道具を使うのが、正しいより方であるからだ。だから、冬場、下手にマイナスドライバーでこじって、補充口のプラグを破損させたり、傷を付けるということがあるのだ。
やはりここは正確な、適材適所なハンドツールを使うべきだ。
そこで、登場したのがそのものずばり、「バッテリープラグドライバー」。ソケットツールの専門メーカーであるKO-KEN(http://www.koken-tool.co.jp/ )製である。写真では見えづらいが、マイナス形状の先端がフラットになっていて、相手の溝に過不足なく収まり、トルクをより正確に伝達する形状としている。このドライバー、バイクのヘルメットのカウル類のクイックファスナーにも使える。全長は150ミリ。価格は、1700円。
一見してなんの工具か、カイモク見当つかないシロモノなのである。
差し込み角1/4インチで、樹脂製赤色の小さなハンドルが付いていて、内部はラチェット機構を持つ。差し込み部にソケットを付ければ、それこそ手のひらに収まる(パームは英語のPALMで、手のひらのこと)超コンパクトなラチェットハンドルになる。ハンドルの内側に差し込み部を備えるので、ここに、たとえばTバーを取り付ければ、ラチェット機構を備えたTレンチに早変わりする。つまりラチェットアダプターとしての役割をしてくれるのだ。
ラチェットのギア数は24。もちろん、いささかコツを飲み込まないと最初はうまくできないが、左右に切り替えも付いているし、ラチェットを殺すこともできる。小粒ながら、なかなか重宝するツールである。
価格は、680円と激安といっていい。ストレート製(http://www.straight.co.jp/)だ。
Tレンチというハンドツールは、使う人はよく使うが,そうでない人も少なくない。
たぶん、これは工具箱に入れた場合、かさばったり、ほかの工具と絡んでスピーディに取り出せないからではないだろうか。Tレンチを高い頻度で使うのはオートバイ屋さんが多いと思われる。この場合は、工具箱にツールを整理するのではなく、壁につるしたパネルに工具を整理しておいて置くというケースが少なくないようだ。
Tレンチのよさは、堅く締まったボルトやナットを緩めたり、逆に締め込んだりできるし、締め始めなどクルクル回すことで、作業をスピーディに進められる。ここで、紹介する工具は、Tタイプのラチェットレンチである。差し込み部にエクステンションバーを取り付け、その先にソケットを付ければOK。差し込み角は3/8インチで、左右に切り替えができ、プッシュボタンまで付いているので、作業途中でエクステンションバーが離れるという心配はない。ラチェットのギア数は72とこまかくできている。普段はエクステンションバーと切り離しておけば、工具箱で他の工具と絡むことはない。価格は、1500円と手に入りやすい。ストレート製(http://www.straight.co.jp/ )だ。
Sレンチというのは文字通りS字型をしたメガネレンチのことなのだが、通常のメガネレンチだと届かないところにある、ボルトやナットを締めたり緩めたりすることができる。
ここに登場するSTRAIGHT(www.straight.co.jp)製のSレンチは、ラチェット機構を組み込んだSレンチなのである。サイズは10-12ミリで、左右の切り替えができ、ギア数は72である。
駆動部分(ヘッド)が12ミリで幅が24ミリと通常のメガネレンチの3割3分増しであるのが気になる(周りの部品にヒットしやすい!)が、ラチェット機構が組み込まれているゆえ仕方がないところか。というのは、Sレンチを使うとわかるが意外と振り幅が小さいため、ラチェットが実に有効なのである。価格が、1200円ととんでもなく安い点を考慮に入れると贅沢はいえない!?
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