みなさん!知ってますCAR?

2013年1 月 1日 (火曜日)

フォレスターのX-MODEに見るスバルの技術力

フォルスターのX-MODE  ときどきスバルのクルマに乗ると、その技術力に舌を巻くことがある。
  このほどフルモデルチェンジした4代目のフォレスターは、世界のSUV市場で善戦できる素質を持ったクルマだと言えそう。スバルのクルマは、おしなべて低重心でシンメトリカルなボクサー(水平対向)エンジン、AWD(四輪駆動)それに鍛え上げられたボディとシャシー性能、この3つのコアテクノロジーで勝負している。フォレスターはその代表選手。
  センターコンソールにあるスイッチを押すと、X-MODEという悪路走破性の高いモードに切り替わる。エンジン出力、トランスミッション(この場合リアトロニックと呼ばれるCVT)それにECS(横滑り防止装置)が最適にはたらき、写真のような、こぶのあるモーグルと呼ばれるオフロード路面を着実に走行できる。ふつうのクルマではありえないパフォーマンス。ランクルやパジェロなどの本格的クロスカントリーカーがようやく走行できる悪路を走破できるということ。もちろん、本格クロカンほど最低地上高(220ミリ)がたっぷりでないので、限界はあるが・・・。急な降雪や予想外の震災時など環境変化でも、とくにすぐれた運転技術を持たない女性ドライバーでも、同じ走りができるところがミソ。理屈は、ECSの応答性を通常よりも6割り増しで素早く、しかも2~2.5倍強く制御することで、スリップあるいは空転したタイヤの逆側の駆動力を意図的に高めてやることで、こうしたマジック走行ができるということだ。
  時速40キロ以内でのスイッチONで、それ以上になるとこのモードが解除される。LSD(リミティッドスリップ・でフ)などの特別な装置なしにこれを成立させたスバルの技術陣はすごいと思う。新型フォレスターの価格は208万円台からで、X-MODE付きは240万円台からある。

2012年12 月15日 (土曜日)

バスのリサイクル工場を見に行く

バスのリサイクル  『バスのすべて』(グランプリ出版)という単行本を手がけたとき、なぜバスのリサイクル部品が流通していないのかと不思議な思いがした。乗用車にくらべ市場が小さいから? でも、たとえばフロントガラスひとつとっても新品だと乗用車なら10万円だが、観光バスなら、その10倍以上の100万円以上する。乗用車ほど種類も多くないので、うまく在庫すれば充分ペイする。不特定多数を相手にするわけではないの、上手くやればビッグビジネスにつなげられる、とひらめいた。
  それから約5年、ひょんなことから、イメージしていたのとほぼ同型のバス専用リサイクル工場に行き当たった。宮城県白石市にある『ヴィ・クルー(Vi-Crew)http://www.vi-crew.co.jp/』がそれ。1万6000㎡の敷地にバスが50台以上。航空機の格納庫を思わせる背の高いヤードでは、中古バスの修復作業が展開。平成6年に6億5000万円を投資して構築した、バス再生&リサイクル工場だ。全国のバス会社から仕入れた中古バスはここで修復され、ふたたびバス会社に販売されるという。バスが長く使われることによる一番のウイークポイントは、やはりボディのようだ。錆が浮いているところ、なかには錆が進行し、穴あき状態のボディもある。バスのボディには、値段の張る防錆鋼板は使われていないからだ。穴あきの場合、腐食個所の2倍に当たる面積をまず切り取り,当て板で周囲をカシメ、腐食個所を抱き合わせで溶接。裏面の補強材をプレスで加工しながら作り上げていく。もちろんパテ処理を施し塗装し、裏面にはアンダーコートで錆び防止。工場内には折り曲げ機や切断機が活躍。乗用車ではまずありえない、うれしくなるような泥臭い作業が展開。
  ヤードの奥では中古部品の生産を展開し、バスの中古パーツが豊富に在庫。ネットでバス専用のインターネット・ショッピングモールを構築。
  社長の佐藤全(さとう・あきら)さんは、バスの資源の国内循環をさせることで、「走れば走るほど地球を汚す現状から、走れば走るほど地球をキレイにする、そんな理念を創出したい」と希望に胸膨らませる。「バスほど楽しい乗り物はない」子供時代に噛みしめている、その喜びを仕事にしているおとなの言葉とみた。

2012年12 月 1日 (土曜日)

先祖がえりか、それとも21世紀のトレンド? クライスラーのイプシロン

クライスラー・イプシロン  自動車120年の歴史を振り返ると、エンジンは多気筒化の道を長く歩んできた。
軽自動車を考えると、スタートは2気筒360ccだったのが、それが3気筒550ccとなり、いまでは排気量660ccで3気筒エンジン。そのうえのコンパクトカーになると、4気筒1200ccからスタートする。
  このほど日本デビューしたクライスラーの「イプシロン」という名のコンパクトカーは、なんと、2気筒で排気量875ccである。エンジンだけ見ると、まるでオートバイの世界だ。いくら静粛性が高い水冷エンジン(水が騒音を吸収するので)とはいえ、自動車として期待される静粛性と動力性を満足するものなのか? 昭和の頃の三輪トラックに近いバタバタというけたたましい音で走る乗り物を、団塊世代のおじさんは悲しいかな、妄想してしまう!?
  ところが、実際ハンドルを握ると、意外なほどイケてるのである。電子制御のマニュアルトランスミッションを駆使すると、けっこう活発に走る。もっとも、ローギアでアクセルを踏み込むと、いきおいよく加速する。ややけたたましいノイズをともなうがけっして不快ではない。街中では「これで充分!」な気持ちにさせられる。この秘密のひとつは、ターボチャージャーによる過給だ。それと画期的な電磁油圧式の吸気バルブ開閉システムも一役かっているようだ。インテークバルブを電子制御化することで、ポンピングロスを低減し、燃焼効率をぐんと高めているのだ。このエンジンの名称は、ツインエアエンジン。85PS,145Nmの出力とトルクを発揮。実は、フィアット500と同じエンジン。アメリカブランドのクライスラーは、いまやフィアットの傘下。同じ傘下のアルファロメオともども、技術を互いに融通しあって21世紀の自動車戦争を勝ち抜こうとしている。
  ちなみに、この5ドアは、見るからにスタイリッシュで、日本車にはない輝きを見せている。このエクステリアやインテリアのセンスのよさを見ると、やはりイタリアデザインに敬意を払わざるを得ない。実はこのクルマ、1年前に欧州で「ランチャ・イプシロン」の名称で発売され、当初は日本で売る予定はなかったが、担当者の熱意で1年後に日本デビューしたという背景がある。右ハンドルの英国仕様をすぐに持ち込むという単純なものではなく、いろいろな思惑で1年かかったのだという。ポーランドにあるフィアットの工場でつくられている。車両重量は、全長3835ミリ、全幅1675ミリで日本の軽にくらべそれぞれ約440ミリ長く、200ミリ幅広。重量も1トン少しで、約150kg以上重い。
  気になる燃費は、JC08モードで、19.3km/l、しかもプレミアムガソリン仕様だ。車両価格は235万円から。

2012年11 月15日 (木曜日)

ホンダの軽自動車N―ONE(エヌワン)の完成度は?

N-ONE  「N BOX(エヌボックス)」の爆発的ともいえる好調販売を背景に、ホンダはその派生車である「N―ONE(エヌワン)」がこのほどデビューさせた。半世紀ほど前の1969年に発売されたホンダ初の市販軽乗用車「N360」をモチーフにした21世紀型の軽乗用車である。とくに団塊世代には懐かしく、若い人には新鮮に映るスタイル。
  大人4人がくつろげる室内空間、加速性能の向上、軽量と高剛性を両立したボディと専用のサスペンションによる高速道路でも安定した走行性能など。気になる燃費もNAエンジンでリッター27キロ、ターボでリッター23.2キロと充分魅力的。横滑り防止装置の信号で後ろのクルマに注意を促すエマ-ジェンシーストップシグナル装置も装備。これは軽自動車初の安全装備だという。
  車内に乗り込んで驚いた。高級車をホーフツとさせる作り込みのすごさだ。車内の狭さこそ軽自動車そのものだが、運転席回り、トリムなどグレードにもよるがフィット以上の高級感すら感じる。確実に質感が高まった。これはホンダが開発・営業・購買などの全スタッフを鈴鹿に終結させ、派生車種を同時に開発するなどで利益体質を再構築したことがあるという。日本のモノづくりの強化といえる。
  ターボ車に試乗した。1.3リッターのコンパクトカーの動力性能とほぼ同じというセールスフレーズはまんざらウソではなかった。横浜の坂をぐいぐい登った。ところが、比較的空いていた幹線道路を時速50~60キロあたりで流してみると、意外と床下がザワザワする。加速時のエンジンとターボチャージャーの音も気になるが、このシテュエーションでのざわつきはコンパクトカーの方が、やはり上等だ。遮音材を入念に貼り付け、エアコンのコンプレッサーの作動音などはよく抑えているものの、フロア下からの、たぶん足回りやタイヤの走行音が車内に侵入しているようだ。全体には静粛性が高くはなってはいるが、こうして厳しい目で見られるようになったというだけで日本の軽自動車の完成度は高くなったといえるし、逆に「もっとよくして欲しい!」という要望も過剰になるのかもしれない。ユーザー目線で心配なのは、ウリのひとつのLEDを使ったヘッドライトの価格が、アコード以上の値段のようだ。となると、リペアビリティに疑問がつく。いずれにしろ今後日本市場で軽自動車とコンパクトカーが全体の7割を占める時代がもうすぐ到来するという。N-ONEはこのことを明確に教えてくれている。

2012年11 月 1日 (木曜日)

三菱のミッドサイズSUVアウトランダーの魅力は?

アウトランダー  三菱のミッドサイズSUVのアウトランダーが、日本でビューした。
  7月にロシアで初デビューし、欧州そして日本で発売というグローバルで売ろうという三菱の中核車種の3列7人乗りのSUVである。2005年に初代が世に出て、グローバルで約66万台を販売。今回の2代目は7年ぶりのフルモデルチェンジだ。
  新型アウトランダーの見どころは3つある。
環境性能、安全性能、それに快適性だ。
  ボディ関係で32kg、エンジンと駆動系で8kg、シートなどの内装関係で30kg、外装部品系で12kgなど、車トータルで約100kgも旧型にくらべ軽量化。車両重量は1440~1530kgだ。さらにアイドリングストップを装備したりエンジンに磨きをかけ、さらには空気抵抗係数を約7%ダウンさせるなどで、燃費が15~22%と大幅アップし、2WD車で15.2km/l、主力の4WD車でも14.4km/lとクラストップ(いずれもJC08モード燃費)。
  安全性は、フロントグリルに取り付けられたミリ波レーダーによる衝突安全軽減装置、フロントガラスに取り付けられたCCDカメラによる車線逸脱警報装置、それにレーダークルーズコントロール・システム(ACC)で前のクルマに追従する機能を備える。9万5000円アップでこうした安全装備が付くという。
  サードシートが今回は大幅に改善し快適性を高め、インパネもそっけないハードインパネではなく、上質感の高いソフトタッチ。インテリアは大人の雰囲気だ。車両価格は、240万円台から310万円と、かなりライバルを意識したものだ。販売予定数は月1000台だという。
  ちなみに、プラグインハイブリッド・システムを備えた「アウトランダーPHEV」が、来年1月に発売するという。こちらの価格は不明だ。

2012年10 月15日 (月曜日)

軽自動車の8倍以上のプライス! 国産高級車とは?

レクサスLS  税込価格で、一番安いタイプでも830万円。最高額だと1550万円だから軽自動車の10倍以上! 先日ビッグマイナーチェンジをしたレクサスのフラッグシップ「レクサスLS」のことだ。
全長5メートルオーバー、全幅1875ミリもある。重量だって2トンを超えている。正直でかいクルマだ。このサイズだと、収まりきれない駐車場も少なくない!? 筆者もそうだが、たいていの読者は≪縁もゆかりもないクルマ≫と一蹴できる。が、ふと立ち止まって考えると、1000万オーバーの国産車、どこが庶民のクルマと異なるのか? ということが、気になったので一言。
  イマドキの新車は、馬鹿の一つ覚えのように「環境と安全」を標語にしているが、このクルマのキーワードは、「熟成の極みと革新の融合」。ココロザシが高い!? エクステリアは「スピンドルグリル」が売りだそうだ。スピンドルというのは、回転する軸のことを指すが、この場合、紡績機の糸を巻き取る紡錘のこと。この紡錘の形状に似ているということだ。たしかに、躍動的で上質のオシャレさが漂うカタチで、身近に感じる人にはエロかっこいいそうだ。そうでない人にも反感を抱かせにくい!? 車内に入ると、水平基調。これが独特の上質な世界観なのかも知れない。とくにステアリングが薄い板材を重ねあわせ、38日間もかけ、独自の模様を表現した縞杢(しまもく)ステアリング。そう聞いて、買おうとする人はありがたく思うと邪推する。ボディは最新の溶接技術や接着技術で、ステアリング支持剛性が約20%アップ、トンネル部の変形量が約6割低減と、大幅な剛性向上を見たという。静粛性についても極限まで追求したそうだ。これまで以上に会話を楽しみながら高速移動ができるという。アルミホイールにレゾネーター機能を持たせ、ロードノイズをぐんと下げられたともいう。
  この手のユーザーには、余計なお世話なのかもしれないが、燃費は、LS600hのハイブリッドで11.6km/l。ガソリン車(V8)のLS460だと8km/l前後。これでも、実用燃費で、従来車よりハイブリッドカーで7%、ガソリン車で2%向上したという。
  このクルマ、月販販売予定台数300台だが、すでに5000台の予約が入っているという。富裕層なんだろうね、きっと。内なるルサンチマンを感じるクルマである。

2012年10 月 1日 (月曜日)

3気筒1000ccを載せたもっとも小さいVW車

VW UP!  フィアット500の2気筒エンジン車は、いくらエコ重視でも少しやりすぎな感が否めなかった。軽自動車ですら3気筒だからだ。このほど日本デビューしたVWのコンパクトカー「UP!(アップ)」は、排気量1000ccで3気筒エンジンを載せる。
  ボディは、全長3545ミリ×全幅1650ミリ。つまりポロよりも全長で450ミリ短く、全幅で35ミリ小さい。新型ミラージュやポルテと全幅はほぼ同じだが、全長は200~400ミリ短い。わかりやすく言えば軽自動車とポロのちょうど中間ほどの大きさ。
  このクルマのすごいのは、3つある。ひとつは、燃費。高張力鋼板をボディ全体の67%使うことで車両重量を900kgに納め(ルポより180kg軽い)、高効率な5速電子制御式マニュアル・トランスミッションで、燃費を23.1km/l(JC08モード)。エコカー75%減税を取得。兄貴分のルポが10・15モードながら14.0km/lだから、これから比べると劇的な低燃費だ。
  2つ目は、2ドアが149万円、4ドアが168万円からと車両価格がリーズナブルなわりに、全車に低速域での衝突回避・軽減ブレーキが付いている点。つまり、ぶつけられる危険はあっても、ぶつからないクルマ。フロント・ウインドウにセットされたレーザーセンサーで、時速5~30km未満という条件ながら、10メートル前方にある障害物を検知し、自動で制動力がかかる安全装置だ。
  3つ目の魅力は、日本車には見出しづらいスタイリングとパッケージング。タイヤをボディの四隅にレイアウトし、居住空間を最大化し、かつてのビートルのように大人4人が小旅行を楽しめるという。しかもドイツ流の飽きのこないエクステリア。
  日本市場では輸入車が長く10%のシェアの壁を超えられなかったが、このクルマがひょっとしたら打ち破るかも知れない!? 電子制御式MTの完成度など、試乗しないと断言はできないが、名車になる予感を抱かせる一台だ。

2012年9 月15日 (土曜日)

来年はじめに登場! 三菱プラグインHV車とは?

三菱PHV  プリウスのプラグインHVに続き、三菱でもSUVのアウトランダーにプラグインHVバージョンを追加して、来年はじめに日本でビューするという。燃費は、リッター61km以上、電気だけで55km以上、エンジンを併用すれば880km以上の航続可能距離。しかも急速充電なら30分間、200Vで4時間。気になる価格は未定だが、「ユーザーが負担を感じることのない価格設定にしたい」(担当者)というから楽しみだ。
  アウトランダーPHVは、フロアに大容量のリチウムイオン電池と前後に2つの直流モーターを
備え、高速走行時のみ4気筒2リッターのエンジンが駆動し、そのほかのシュチュエーションではほとんどEV走行に徹する。モーターならではの加速感が魅力だという。もうひとつの魅力は、前後駆動モーターで、4WDレイアウト。しかも前後、左右の駆動力配分で旋回性能、トラクション性能、走行安定性が劇的に高まったという。たとえば、コーナリング時のフロントの内輪にブレーキをかけることでアンダーステアを抑制。あるいは、フロント外輪に制動をかけることでオーバーステアを制御することもできる。
  大容量のリチウムイオン電池は、走行以外でたとえばアウトドアや災害時に最大1500WのAC100V電源として電力を供給できる。フル充電で通常の家庭の約1日分の電気の供給が可能だという。ちなみに、このアウトランダーPHVは、通常のガソリンエンジン車と異なりトランスミッション、オルタネーター、スターター、エアコンのコンプレッサー、ブレーキのバキュームポンプなどを不要としているが、200kgもする大容量リチウムイオン電池などの追加で、ノーマル車より約270kgも重いというが課題になる?

2012年9 月 1日 (土曜日)

クルマはともかく広告が面白いオーリス

オーリス  TVコマーシャルをはじめとする広告は、もちろん製品を売るために消費者に訴求するための媒体だが、ときとして時代を鋭く切り取る≪作品≫ともなる。そんな理屈はともかく、1台でも多く売るために相当のお金をかけて作り上げるTVコマーシャルは、見方を変えれば、それだけで面白い世界だ。
  “スポーツハッチバックの新基準”を標榜する新型のトヨタ・オーリスは、全高を55ミリ下げ1460ミリ。1.5と1.8があり、価格は171万円から。1.8にはリアにダブルウッシュボーン式のサスをおごるなど、欧州で鍛えたという走りを備えるなどハードの魅力はある。だが、それにもましてプロポーションを美しく見せるところにチカラを注いでいる。
  これをいかに数秒間のTVコマーシャルと訴求するか? 真っ赤なパンツを穿いた女性のお尻をドアップで登場し、やがてそれは“男性のお尻だった!”ことを表現。 思わず「何やねん、それ!」と突っ込みを入れたくなるが、「常識に背を向けろ!」ならぬ「常識に尻(しり)を向けろ!」を表現したという。「ハッチバック=リア=お尻」という連想ゲーム。≪常識≫を見事に裏切りたいという期待があるようだ。でも、優等生と思われているトヨタ自動車にしてはずいぶん思い切ったメッセージ。
  ところが、このクルマ、どこかのクルマに似ていると思ったのだが、ふと膝を叩いて思い出した。アルファロメオのジュリエッタである。ジュリエッタはイタリア娘の名称。1年ほど前にステアリングを握った経験があるが、エッチ度が高い。つまりカッコいいクルマと見た。欧州では、スポーツハッチバックは年間200万台の市場だという。この領域にどこまで、ヤマトなでしこ流のお尻、ならぬオーリスが食い込めるか!?

2012年8 月15日 (水曜日)

セレナS-HYBRIDは見かけ倒しのハイブリッドカー?

セレナ  「平家にあらずんば人にあらず!」
  松山ケンイチ主役の大河ドラマ「平清盛」が佳境に入ったせいか、ふと、こんな故事のこじ付けで「ハイブリッド車にあらずんばクルマにあらず!」というコトバが頭に浮かぶ。
  日産のセレナも、そんなイマドキのクルマ風潮に影響されたせいでもあるまいに、なんと「ハイブリッド仕様」を投入してきた。でもよく見ると「スマートシンプル・ハイブリッド」。いわゆるハイブリッドとは異なる。
  プリウスのようにモーターだけで走行し、ガソリンをケチることで燃費を飛躍的に高める。そう考えたら大間違いのハイブリッドなのだ。ただ単に、これまで以上にアイドリングストップを積極的に活用し、回生ブレーキ(下り坂でエネルギーを貯める)をフル活用し、エンジンルームに載せたもうひとつの鉛蓄電池で、電気を蓄えることができるというだけ。だから、クラスNO.1の燃費とはいえ、JC08モードで、15.2km/lにすぎずない。これはノーマルのわずか1.4km/lのアップ、率にして10%アップに過ぎない。いわゆる“第3のエコカー”ともいえるかどうか? 
  価格は、従来の価格帯に収めている。中心車種でも1万円以下のアップに過ぎない。2WDで238万円台から。
  セレナは、日本市場の3列シートミニバンのトップを走るクルマ。日産は唯一胸を張れるジャンヌのクルマでもある。室内の広さ、使いやすさ、燃費性能の3つの高バランスが認められてのことと日産のエンジニアは強弁するが、わずか燃費10%アップで「ハイブリッド」という言葉を付けることで、売り上げを狙う・・・そんな姑息な世界が垣間見える。日の丸を掲げてきた日産の歴史を知る一人としては、残念だ。

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