みなさん!知ってますCAR?

2009年3 月31日 (火曜日)

マツダのアイドルストップⅰ-STOPの完成度は?

Img_2867   アイドルストップを励行すると確実に10%燃費が向上する、ということは百も承知。だが、普通のクルマでは面倒すぎる。バッテリーやスターターへのストレスも心配。加えて再始動に時間がかかり安全性でも不安。ヴィッツやダイハツのミラにも「アイドルストップ仕様車」があるが、再始動時のがさつな振動騒音とタイムラグに閉口して、売れ行きはさっぱり。いくら環境にやさしいメカニズムでも、使い勝手や性能ダウンをもたらすものでは誰も見向きもしないってことだ。

   今年秋に発売予定のマツダのアクセラに、こうした不満を吹き飛ばす仕掛けが登場する。「ⅰ-STOP(アイ・ストップ)」がそれ。一足先のこの仕掛けを試すチャンスがあった。
このⅰ-STOPは、エンジンの燃焼エネルギーを活用するところがミソ。スターターは補助的に使う。再始動しやすい気筒を選択、そのピストンの位置をクランク角センサーでフィードバックし、オルタネーターを簡易モーター化して再始動しやすい位置の修正。同時に再始動しやすいようにスロットルを少し開け掃気させる。ATFの電動油圧ポンプを追加して油圧の立ち上がりを補助する・・・これらすべて緻密に電子制御することで、再始動時間を半分の0.35秒に短縮。

   再始動時の振動騒音もほとんど気にならないほど。バッテリーへの負担を考え、メインとサブ2つのバッテリーを採用し、メインはヘッドライトやカーオーディオ用。サブをスターター用。しかもこの電気のやり取りをシリンダーブロックに取り付けられたパワーリレーで展開し、バッテリー上がりを起こさせない工夫もある。システム重量は約17kgだという。価格は、未定だが、プラス5万円ぐらいに抑えて欲しいものだ。

   完成度はズバリ100点といいたいが、このシステムは、直噴エンジンでないと成立できないのが残念だ。

2009年3 月15日 (日曜日)

ヤヤヤッ! ボディ重量60kgの電気自動車が登場!

Photo  100年の1度あるかないかの大不況。自動車の歴史は、ほぼ100年。
  ということは・・・紛れもなく自動車がはじめて直面する最大級の困難な時代。しかも環境負荷問題から自動車は大きな岐路に立っている!? 根底から自動車のありようが問われているともいえる。そんなある意味、貴重な時代のハザマにわれわれは立っている。

  時代の転換期というのは、あとで振り返ると実に「面白い時代」といえなくもない。そう考えると多少気が楽だが、京都大学のベンチャー・ビジネス・ラボラトリーが試作した乗り物はそんな面白い時代のひとつの反映のように目に映る。京都議定書の発祥の地である京都から、「京都風竹製電気自動車」が発信された。愛称は、バンブーならぬBAMGOO(バングー)という。

  シャシーはトヨタ車体製の「コムスロング」(市販の一人乗り電気自動車)。これに京都・嵯峨野で採取した真竹(まだけ)を使ってボディを構築している。直径7センチ、長さ4メートルの真竹が45本、それに幅1センチの薄い竹板900本に加工し、竹細工職人が1ト月がかりで編み上げた。軽くて弾力があり、しかも通気性がある。ボディ重量60kgと超軽量。金属ボディではできない新鮮なプロフィールである。かっこよく言えば伝統工芸と先端科学のコラボレーション!?

  クルマとしてのパフォーマンスは、最高速度50㎞/h。電池は密閉式鉛蓄電池12V-52Ah×6個(72V)。もちろん、このままでは道路運送車両法の保安基準にパスできてはいない(ド~すればパスできるかもカイモク不明)が、クルマの今後を考えるには悪くない作品だと思う。

2009年2 月28日 (土曜日)

189万円のハイブリッド車は、本当に環境にやさしいのか? 続編

Img_2612   燃費データこそ出せなかったが、インサイトは都内を40分ほど試乗した限りにおいては、走りを楽しめるハイブリッドカーとして合格点を挙げてもいいと思った。(エクステリアがプリウスと似ているところがどう評価するかが気になるが・・・)
エコアシストと呼ばれる新しい仕掛けを駆使すれば、究極に近いエコランを心置きなく楽しむことができる。逆に「エイ、今日は燃料費を気にせずスポーティな運転をエンジョイしよう」となれば、シフトレバーをSモードにすればヒラリヒラリ的なドライブを楽しめる。

 インサイトの関心は燃費だが、前回も少し触れたが実は、「エコアシスト」と呼ばれる従来のクルマにはなかった仕掛けがこのクルマの陰の注目点である。
エコアシストは①ECONスイッチを押すだけで燃費優先の制御をおこなう「ECONモード」②リアルタイムで燃費の良し悪しを表示する「コーティング機能」③ドライバーのエコ運転度を採点する「ティーチング機能」。この3つから成り立っている。

 これまでのエコラン表示は、結果の表示だけだったが、インサイトのものは「何でそんな燃費データになった」のかを教えてくれるというところが革新的!? といってもアクセルワーク、ブレーキのかけ方、アイドリングの長短の3つだが。パソコンを通じて、インター名日との連携で、自分の低燃費運転データが、全国レベルでどのくらいなのかを教えてくれ、楽しみながら低燃費運転のテクニックを磨けるのだという。

 言いたいのはアイドリングストップから発進するときゆっくり踏み込めば不具合は起きないが、急にアクセルをあおると「ウフフっ」とクルマは一瞬躊躇する点。このあたりはすぐ直してほしいね。

2009年2 月14日 (土曜日)

189万円のハイブリッド車は、本当に環境にやさしいのか?

Img_2568   189万円というかなり衝撃的なロープライスで、新型ハイブリッドカー・インサイトが発売された。  ハイブリッド車が、通常のガソリンエンジンに比べ、価格が高くなる理由は、モーター、電池、制御ユニットの3つが追加されるためだ。この面で重くなり、メカニズムの複雑化を招くため、旧来のメカニズム重視評論家のあいだではいささか疑問符が付けられた。

  ところが、3年前にデビューしたシビック・ハイブリッドの比べ、今回のインサイトは、バッテリーと制御ユニットをそれぞれ約30%、モーターを約15%も軽量化している。エンジン排気量も1300ccと通常のガソリンエンジン車に比べ、ダウンサイジングしている。それで車両重量は1200㎏である。

  どうやら、ハイブリッド技術のキモは、より高効率なパワートレイン技術のほかに、超軽量化が大きな課題のようだ。

  インサイトの場合、トヨタのプリウスとは異なり、エンジンをモーターが補助する≪パラレルハイブリッド方式≫。プリウスよりもシンプル構造ではあるが、燃費性能(カタログ上)では後塵を拝する。これをカバーするために、楽しく低燃費運転ができる≪マルチ・インフォメーション・ディスプレイ≫なるものを搭載している。エコ運転を自己採点して、さらにエコ運転の技術向上につなげられるというのだ。いずれにしろ、クルマは乗ってナンボの世界。次回は試乗し、エンジニアに取材したうえでインサイトの正体にせまりたい。

2009年1 月31日 (土曜日)

売れるのか? 女性用のドライビングシューズ

Img_2235 「私たち、主婦で、ママで、女です!」
コンパクトカーに乗る7名の女性のTVコマーシャルのそんな底抜けに明るい声に、内心ドキッとした男性読者が少なくないはず。三丁目の夕日の時代から約30年、「日本女性はこんなに自信満々の存在になりました!」と高らかに宣言しているようである。相対的に自信のあまりない男性をイメージする!?

「5人がゆったり、7人がしっかり乗れる7シーターのコンパクトカー」であるパッソ・セッテとブーン・ルミナスは、この分野では先鞭をつけたホンダのフリードと真っ向対決状態。フリードが5人乗りと7人乗りの選択性に対し、こちらはシートアレンジで可変定員性をウリとしている。

  そのパッソにキュートなドライビングシューズが登場している。ベネビスというブランドと提携した専用の女性用シューズである。ボディカラーと同じ6色を揃え、つややかなエナメル素材に程よい丸いトウ、足裏には柔らかクッション、プチトマト柄の中敷は銀イオンで消臭・抗菌効果をプラスしているという。低めのヒールで、滑りにくい靴底など、運転しやすく、歩きやすいコンセプトを入れ込んだという。

  女性ドライバーの4人に一人は毎日クルマを運転するというデータがある。この専用シューズ、おしゃれで、使い勝手のよさも上々のようだ。価格も9,980円(税込み)とリーズナブル。もちろんパッソ&ブーン以外のクルマのユーザーでもOKなのだが、どれだけ売れるか。あまり売れるとトヨタ(あるいはダイハツ)は靴部門を持つことになる!? 靴フェチではないが、やけに気になるところだ。

2009年1 月15日 (木曜日)

いまどきのディーゼルエンジン乗用車は魅力的か?

41 これまで500万円以上の高級車を評論することはほとんどなかった筆者だが、なぜか3台で総額3000万以上の高級車に立て続けに乗るチャンスが巡ってきた。取材で東松山にあるボッシュの工場に出かけたとき、試乗することができたのだ。すべてボッシュの第3世代のコモンレールシステムを備えたディーゼル乗用車。
日本仕様のメルセデスベンツE320CDIアバンギャルド,アウディA4カブリオレSライン3.0TDIクアトロ(写真)、BMW535ⅾ Mスポーツの3台だ。3台とも価格から類推できるとおり、走行性能、静粛性、コンフォート性など文句のつけようのないレベル。文句を付けたいのはプライスだけだ。
すべて6気筒3リッター、インタークーラー付きのターボで過給しているのでアクセルペダルを踏み足せばロケットを思わせる加速を味わえる。ディーゼル車がレースの世界でも活躍しているという事実が理解できた。欧州で、ここ数年販売される半数以上の乗用車がディーゼル仕様であることも理解できた。
数年前アコードのイギリス仕様のディーゼル車に乗ったことがあるが、さらによくなった印象だ。
こうなると、欧州で活躍しているヤリス(ヴィッツ)やスマートといった小型ディーゼルにも乗りたくなった。日本ではなかなかディーゼル車のアドバンテージは理解できない。たとえ3割燃費がよいディーゼル車もイニシャルコストが高いこと、しかも軽油の値段がガソリンとわずか数円ほどしか違わないため、次世代型乗物はハイブリッド車と電気自動車の方向に動きつつある。となると日本でディーゼルが成功するためには、ディーゼルハイブリッドしかないのかもしれない。

2008年12 月31日 (水曜日)

ホンダの燃料電池FCXクラリティの試乗記(つづき)

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後席に座ると、思わず「ゴージャス」と叫びたくなるほど広い。車高が低いぶん驚き度が高い。ドアの中央部をまるでスプーンでえぐられたような造形にもモダンさを感じる。
広いだけでなく、4人のシートがそれぞれ独立しているため、旅客機のファーストクラスのシートを思わせるラグジュアリーな雰囲気。インパネはホンダ流のレイヤードといわれる奥行きを感じさせるデザインだ。トランクルームも高圧水素タンクを1本にしたおかけで十分の収納容積を持っている。極端な話、今日免許を獲った初心者でもドライブできる。つまり、片寄った癖もないのでふつうに運転できる。人間にも言えることかもしれないが、このことがすごいことだと思う。
メーターの近未来性、居住空間など複数の仕掛け(合わせワザ)で、エンジニアの≪新しいクルマを作りたかった!≫という強い意思が伝わってくる・・・。
100年で、人類はこんなにも静かでスポーティなクルマを獲得できたのだと思うと感慨深い。
走り・居住性とも未来フィーリング120%だが、逆に未来的クルマの課題も見い出した。
走行中のモーター音が多少なりとも耳に付くのである。あまりに静かであるゆえだ。
燃料電池に酸素(空気)を送るエアポンプが作動している音である。このエアポンプにはリシュルム型のコンプレッサーを採用しているが、開発陣に言わせるとこのコンプレッサーの改善と吸音の役目をするチャンバーの追加を現在検討中だという。エンジン付き車両のときは気にならなかった高周波の小音量のモーター音が気になるのである。
1時間ほど乗っていると、このノイズ、なんだかノートパソコンの冷却ファンのモーター音と似ていることに気がついた。このクルマのオーナーになれば・・・機能的な音としてなれるのかもしれない。クルマを降りるときには、自分で勝手にFCXクラリティは≪動くパソコン≫ではないか。そんな思いが頭から消えなかった。
もちろんインフラの充実もあるが、燃料電池車の量産にはまだ数年を時間がかかるようだ。コストも100分の1ぐらいにしないととても21世紀のモデルTはならない。エンジニアにとっては大きな課題だが、これほどやりがいのある仕事はあまりないと思う。

2008年12 月15日 (月曜日)

ホンダの燃料電池FCXクラリティの試乗記

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 今年はモデルTが誕生して100年目。1世紀という気が遠くなるような時間が流れ、燃料電池車がその姿を現したのである。FCXクラリティを3時間ほど試乗した。その印象を今回と次回でリポートしよう。

 動き出すには下準備というか“儀式”が必要だ。エンジンならぬ“FC(フューエル・セル:燃料電池のこと)スタック”を反応させる独自の“儀式”である。儀式というと難しそうだが、メーターの指示にしたがうだけ。キースイッチを入れるとメーターにPUSH POWERの表示が現れる。ステアリングホイール左下部にあるPOWERスイッチを押す。するとSTANDBYの文字がインフォメーションに表示。これでFCスタックの始動準備はOK。後は、プリウスのレバーと酷似しているステアリング左手にある小ぶりのシフトレバーをDに入れ、パーキングブレーキを解除すればクルマは前進する。シフトレバーをRにすれば後進。駐車は、ブレーキペダルを踏んだ状態でPOWERボタン上部にあるP(駐車)ボタンを押せばいいだけ。2~3回やればすぐ慣れてしまう。

 ちなみに、北米では個人ユーザーが取材の時点ですでに3人いて、車両の説明に30分、水素ステーションの使い方に30分のレクチャーを受けたのち納車だという。というのはアメリカでは水素ステーションで燃料補充するときもセルフ方式だからだ。

 さて、アクセルペダルを踏み込むと、車はグイッとばかり加速し、ビュ~ンとばかりスポーツカー並みに走ることができる。普通のスポーツカーならエンジン音がけたたましく響くのだが、FCXクラリティはあくまでもサイレント。静粛の世界の中で以上の加速をすべて執り行うのである。21世紀にふさわしい加速フィーリングとでもいおうか、ある意味官能的なのである。

 ドライバーはこのとき、心の中が高鳴る。始めて大排気量のバイクに乗ったときに似ているというと理解しやすいのかもしれない・・・。

 写真にあるような3Dホーン形状のメーターは実に近未来そのものである。3Dというのは3つのディメンジョン(次元)のことで、出力計が上部にあり、両翼に水素燃料計とバッテリー容量計がある。出力計というのは燃料電池車の最重要ユニットであるFCスタックの出力を表示するもので、回生状況もひと目でわかる仕掛け。さらに近未来感覚を誘うのは、メーター中心にあるH2ボールメータと呼ばれるもの。走行状況に応じた水素の消費状況をボールの色と大きさの変化でドライバーに知らせる。消費量が多いときは、アンバー(琥珀色)で大きく、少なくなるにつれイエローからブルーに変わり、ボール自体も小さくなる。

2008年12 月 1日 (月曜日)

ホンダの燃料電池FCXクラリティの完成度

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究極のクリーンカーである燃料電池の姿がホンダのFCXクラリティの登場で、かなり明確になってきた。ちなみにクラリティとは英語で「明晰(めいせき)」の意味。

 空気中にあり余りほどある酸素と特殊ボンベ内の水素を車内で≪反応≫させ電気を起こし、モーターのチカラでクルマを動かす・・・原理自体はとてもシンプルだが、火がつきやすい水素が漏れたときの安全性、高圧電力の安全性確保などだけでなく、燃料電池の反応プラントFCスタック(スタックは堆積の意味)を量産できるかが大きな課題。

 ホンダはこうした課題を10年がかりでようやく一応の≪カタチ≫にしたのがFCXクラリティ。でも3年でわずか200台の生産計画。リース販売で、月になんと80万円をユーザー負担。漏れ伝わるところによるとコストは現在約1億円だからだが、真の意味での量産にはまだまだいくつもの壁が立ちふさがっている。

 燃料電池車の登場は自動車社会の根底から革新するといえる。

 エンジンがない、パワープラントがまったく異なる・・・これによりエクステリアデザインはかつてない未来系になるからだ。走行フィーリングも異次元だ。エネルギー効率はハイブリッド車の約2倍。内燃機関とはまったく異なるドライビングテイスト。試乗した人によると「走り出してグッときてビュ~んと走る」という。

 開発責任者によれば、2015年よりも早く量産体勢にもって行きたいという。そのときには、車両価格がいくらになっているか? 水素ステーションなどのインフラはできているのか? ワクワクどきどきの車社会になるのか、カイモク見えていない。

2008年11 月15日 (土曜日)

たかがエアサス、されどエアサス

Photo 電子制御式のエアサスペンションを付けたクルマに、久しぶりに試乗した。
 エアサスなしとエアサス付きの2台を荒れた地道で確かめたのだが、たしかに金属ばねを使わないエアサスは、乗り心地が段違いにいい。
 でも、エアサスといえば、一部の高級車と働くクルマであるバスについている特別な装置。道路事情のいい(つまり舗装率の高い)日本ではまず「こんなものいらない!」の代表的装置。日本にいる限り背中を向けていいシステムだが、先週NYマンハッタンに出かけた折、エアサスのありがたみを痛いほど知った。
 自動車先進国のアメリカ、それの巨大都市ニューヨークの路面がこれほどひどいものだとは思わなかった。たぶんこの記事を読んでいる読者も半ば以上信じてくれないと思うがインドの道路よりひどいといった人もいるほど。日本でも年度末になると予算を消化するため無用な道路工事をすることがあったが、正味のところあれよりひどいツギハギだらけの道路。夜間タクシーに乗ったところ、時速45マイル(72km/h)前後で走行。するとアシストグリップにつかまっていないと身体がシートから転げ落ちそうになる・・・それほどひどい路面なのである。
 アメリカで売られるSUVのなかにエアサス装備があるのが理解できた。ちなみに、エアサスは、日本車での初デビューは1984年のレオーネで、オートレベライザー装置も備わるので、車高を高めることで川原に乗り入れるときも便利。部品メーカーに聞くと日本ではやはり売れないそうだ。

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