星の数ほど市場にあふれるドライバー。
ハンドツールのなかでは一番身近なわりには、なかなかベストなものが見つからないともいえる。
今回取り上げるのは『パーフェクトドライバー』。世のドライバーに満足できなかったユーザーの心を見透かしたような、あるいは挑戦的な製品名である。発売元は三木市にある藤原産業(電話0794-86-8200)。MADE IN TAIWAN と台紙にあるように、製造は台湾である。手にしたのは、ホームセンターにて598円で手に入れたプラスの2番。
軸が4角断面(幅6ミリ)で、先端はタガネのように両側面が薄くできている。頭がグチャグチャになったネジ部をハンマーで叩き、溝をつくりまわそうというデザインだ。この発想は、ANEXのビスブレーカー(3960)と同じだ。もちろん、通常のドライバーのように使えるところがうれしい。つまり「頭がこわれかけたビスでも回せる」という付加価値を追加したドライバーなのである。
手に持つと、貫通タイプなので、やや重いが、測定してみると131グラムで、ライバルたちに比べ、重くもなく軽くもなし。全長215ミリもごく標準的だ。気に入ったのは、グリップである。軸の近くは硬めの樹脂であるが、手の平にあたる部分は密着性の高いやや柔らかめの樹脂の2重構造タイプ。しかも6角断面なので作業台で転がる心配はない。イジワルして、台所洗剤を手につけ実際ビスを回してみたが、グリップ力はほとんど落ちず、すんなり使えた。これまでのドライバーは、みなヌルヌルとして使えなかったという経緯があるが、このドライバーは安いわりにはなかなか完成度が高いと見た。