あまりポピュラーすぎる工具であるドライバーだが、手になじむと離れがたく抜きがたい愛着を抱く場合がある。MACの樹脂グリップドライバーもそのひとつである。
グリップ断面5角形がギリシャ数字の「ペンタ」であるため、通称『ペンタグリップ・スクリュードライバー』とも呼ばれる。細かい縦溝が滑り止めと柄もいえぬデザインをかもし出す。
ドライバーを握ったとき、正確に言うと腕をストレートにした場合、親指のあたる部分に横の凹凸を付け滑り止めというか、ピタッと密着する感じも悪くない。グリップの大きさも小さくもなく大きくもなく、日本人の手にあわせたようで、具合いい。ごく珍しい5角断面のグリップは、左右対称の金型ではできない裏事情もあり、コスト高の遠因となっているようだが、それ以上のユニーク度をかもし出す。
ボルスター部も付いているので、こう着状態のボルトを緩めるときに10ミリのメガネレンチを差し込めばワケもなく緩むだろう。先端部の精度は10ミクロンオーダーの精度だという。マイナスドライバーの先端はネジ溝に合わせたパラレル形状だ。ちなみに、グリップカラーは黒以外にも赤色、緑色、黄色など、さまざまなカラーを選択できる。ただし、価格もハイエンドである。