かつて『旦那グルマ』という、どちらかというと運転して楽しむクルマのカテゴリー外だったクラウンも、2003年デビューのゼロクラウン(12代目)以降、ファン・ツー・ドライブ路線を走る。
そのクラウンがこのほどマイナーチェンジ(14代目のマイナーとなる)された。ポイントは、2つだ。ひとつは、排気量2リッターの直噴ターボエンジンを載せた走りと燃費を両立したグレードが登場したことだ。ダウンサイジング・ターボのクラウンである。シリンダーヘッドとエキゾースト・マニホールド一体型の新エンジンと8段変速の電子制御式ATの組み合わせ、可変式の吸排気バルブ、それにアイドリングストップ機構を組み付けるなどで、ハイブリッド車とは遠くおよばないながら、JC08モードで13.4km/lというなかなかの好燃費を誇る。ボディも構造用の接着剤に加え、スポット溶接の個所を90ヶ所も増やし、ボディ剛性と乗り心地の向上に寄与したという。
二つ目は、世界初採用の安全通信システムITSコネクトを3万円ほどで付けられること。これは、道路に設置されたインフラ設備とクルマ、あるいはクルマ同士の直接通信で、右左折時の注意喚起、クルーズコントロール、ブラインドスポットのモニタリング、パーキング・アシスト機能など多岐にわたる安全装備である。373万円から700万円台近くの価格ゾーン。2リッターのダウンサイジング・ターボ仕様車は、388万円からだ。