「インド製のクルマが日本の道路を走る!」と聞くと、なんだか不安になる読者もいるかもしれない。でも、スズキブランドと聞けば安心する!?
苦戦しているようだが、日産はタイ製のマーチを逆輸入しているし、かつてはアフリカ製のBMWが日本に上陸していたこともあった・・・鈴木修会長に言わせると「クルマは一番売れるところでつくり、余力があれば、外国に輸出するのが合理的な考え。インドは1983年に進出し、ようやくインドでのクルマづくりのレベルも上がり、インドの最新鋭の工場でこのクルマを造っているので、アジアまたはインドで造ろうがどこで作ろうが、確かなものは確か」という。「すでに欧州に出していても問題なく、日本はアジア生産車に対して変に考え過ぎなんじゃないですか」とも。
「バレーノ」というのがそのクルマだが、1リッターと1.2リッターのコンパクトカー。1.2リッターの方は4気筒の従来型エンジンだが、面白いのは1リッターのほうで、3気筒直噴ターボ。なんと6速ATとの組み合わせで、キビキビした走りが楽しめるという。ただし、燃費はJC08モードで20.0km/lと、CVTと組み合わせた1.2リッターのCVT24.6km/lの後塵を拝している。価格も20万円ほど高い161万円台。
インドでは、昨年10月に発売し、わずか5ヶ月で4万台を販売、バックオーダーをかかえる人気ぶりだという。ところが、日本での販売目標台数は年間5000台といやに弱気。スズキ経営陣の思惑は、軽自動車を含まない、いわゆる登録車で年10万台販売を目指しているのである。だからこのところ立て続けに、ソリオ、イグニスと登録車を送り出しているのである。なお、バレーノは、スイフトの「弟分」という位置づけなのだが、全幅が1745ミリで、1.7メートルを越えるため、3ナンバーなのである。スイフトは5ナンバーなので、弟のほうが幅を利かせているのである。