先日、近くにあるホームセンターを散策していたら、思わぬ商品に出会った。
ドイツのWERA(ベラ)のドライバーである。品番350PHである。ベラといえば、ドイツの先進的なドライバー専門メーカー。ここ数年のカタログを見ると、斬新なラチェットハンドルやユニークなコンビレンチもラインナップされているので総合ツールメーカーを目指すようだ。
工具の世界もグローバル化しつつあるのか、ドイツの工具がこんなところ(横浜郊外のホームセンター)にあるとは少しオドロキ。先端部にレーザーチップを施した軽量バージョンのドライバーだ。丸軸で、しかも、ボルスターがないので、10%ほど軽い89グラム。軸径はφ6ミリである。
ベラのグリップは、2つの樹脂素材を使っているのが常道だが、注目したいのはその完成度である。コンペティター同様にインジェクション成型でカタチをつくっているのだが、ざっくりいって日本製よりも1枚も2枚も上手のようにみえる。グリップのデザインにしても同じことがいえる。それでいて、売値が1229円プラス税なので、隣に並ぶKTCの1.5倍だから、がぜん魅力的に写る。
前号のKTCの貫通ドライバーと合わせ考えると、日本と欧州のドライバーは同じドライバーだけど世界観が異なるのかもしれない。ドライバーに関しては、日本のモノ作りがまだ欧米をキャッチアップしているとは言いがたい、とする業界人に会ったことがある。が、どうもそうではなく、その狙いが異なるようだ。貫通ドライバー大好きなジャパニーズドライバーに対し、欧州のドライバーは、美しくネジを回す道具という位置づけ。あれこれ触りまくるうちに、同じねじ回しという機能でありながら、なんだか同床異夢の感じがしてきた。