ふだん安いクルマに乗っているせいか、1000万円オーバーのクルマに乗ると、どこか自分を失う気分が湧き上がってくる。早い話、わが劣等感がいたく刺激される!?
ボルボのサービスマンコンテストの取材で、豊橋に出かけた折、駅から現場までの30分ほどの送迎車として乗ったのが、ボルボのXC90T8インスクリプション。2リッター直列4気筒エンジン+ターボ+スーパーチャージャーで320PSエンジンに8速AT。さらにリアに67PSのモーターが付くという、なんとも超豪華な3列シート高級SUV。本皮シートに腰を降ろすと、超一流ホテルのロビーに入った気分と似て、なんともお尻がむずがゆい!?インスクリプションとは辞書を引くと「碑銘(石碑に刻みつけた文章)」のことで、そのココロは「とてもプレミアム」てなこと?
セカンドシートに座ってのインプレッションだが、車重2.3トンもあるわりには、実にパワフルかつフラットライド感にしびれる。サスペンションはフロントがダブルウッシュボーン、リアがマルチリンク。世界初の右折時に対向車を検知する機能を搭載するなど、ボルボ得意の先進のセーフティ機構がてんこ盛り。「これ以上何を望む?」そんな声がこのクルマから聞こえてきそう。
これなら、たとえ一日500キロ走っても疲労感はごくわずかだと思われた。・・・軽自動車でもいちにち500キロは走れるが・・・フィジカル度を比較する!そんな企画がふと頭をよぎる。EV走行が最大35キロほどできるので、都内走行での平均実用燃費はリッター20キロほどと、ハンドルを握るボルボの関係者は胸を張る。それにEVモード、ハイブリッドモード、パワーモードなどいろいろな走行パターンを選択可能。このクルマのおもな市場は北米と中国だ。イマドキの富裕層が思い描く理想のクルマの車両重量は、軽く2トンを越える。ここにエコとエゴのぶつかり合い、ジレンマが透けて見える!?ちなみに日本での価格は1009万円だという。フーンだ。