フレアナット専用のレンチである。
フレア(FLARE)とは、辞書で調べると「(器物が)張り出す)という意味。ここでは、パイプの端部にあるジョイント用のナット。円錐状に広げてシールする構造のジョイントナットをさす。通常のメガネレンチでは、パイプを越えられないので、使えない。でもパイプを越えられる、スパナとなると、相手の6各部に当たる面積が少なすぎ、なめるおそれが十分ある。とくにナットが真鍮などでできている場合、二面幅が10ミリと比較的小さいこともあり、カドを舐めるトラブルを引き起こす。そこで、フレアナットレンチと呼ばれる特殊工具(ユニバーサルSST)の登場となる。これは、先割れメガネとも呼ばれるもので、パイプをくぐり、しかも相手の6角部にがっちりトルクを伝え、カドが舐める不具合を排除しているのである。
しかも、この製品(品番FNG-10)は、先割れメガネ部にラチェット機構を組み込んでいる。ギア数が72ギアと多いので、最小の振り角度がわずか5度。つまりタイトなところにあるフレアナットの緩めや締め作業にとても具合がいいという理屈。ちなみに通常のソリッドタイプだと6角なので振れ角度60度だ。ナットのあたり部分は、カドを逃がす形状で黒色の焼結金属のようだ。本体と内6角部の間のギザギザの付いた部品は樹脂製だ。樹脂製なので、赤と黒の色で差別化し、赤が上だと「緩め」作業(写真)、黒が上だと「閉める」作業ということが一目で分かる。価格は、国産車の大半が使える10ミリで3800円とやや高め。全長160ミリ、重量87g。サイズは8,10,11,12,13,14ミリの6サイズがある。さらに狭いところで使いやすいメガネ部が首振りのフレックスタイプもある。ただ、イタリアのアルファロメオなどでは確か9ミリが使われているが、そのサイズはいまのところないようだ。スエカゲツールのプロオートだ。http://www.suekage.co.jp