毎年5月ごろ横浜で開かれる「自動車技術展」は、クルマのコアな技術が一堂に観ることができるので、徐々にブースの数も増え、来場者数も増えているという。
今年もパシフィコ横浜で開かれ、さっそく初日の5月25日に足を踏み入れた。
「ふだんカーオーナーが見慣れているもので、何かすごいものはないか!?」
そんな思いで会場をふらついていたら、まさに渋い部品を発見した。ガソリンの給油口の先のホースの部品である。専門用語で、「ホースモジュール」というのだそうだ。モジュールというのは、規格化された構成要素のことで、燃料ホース・アッセンブリーといってもいいかもしれない。要するに給油口から燃料タンクまでのホースのこと。
従来は、もちろん板金製(写真奥)であったが、軽量化の要請で徐々に樹脂化(写真手前)されているのだ。樹脂といってもいろいろあるが、ナイロン6(PA6)にオレフィン系樹脂を積層した厚さ2~3ミリの樹脂ホース。途中蛇腹形状にして曲がりを付けている。樹脂化することで、金属製部品にくらべ重量が2kgから半分の1kgに軽くなるという。もちろん燃料が漏れないようにシール性を高めたりして、燃料透過性基準を満たしているという。
じつは、樹脂燃料ホースモジュールは、衝突安全性の向上にもつながるという。蛇腹形状による柔軟性が寄与するようだ。しかも、燃料タンクとの結合は、「クイックコネクター方式」で、カチッとワンタッチでジョイントできるのだという。取材先の住友理工によると、ホースモジュールだけでなく、エンジンマウントも徐々に樹脂化されていくといっていた。樹脂は耐熱性には課題があるが、成形の自由度が高く軽いので、今後も増えていくことには間違いないようだ。
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