クルマやバイクの整備ではあまりないが、太くて硬い線を切断したいときがある。
華道や手芸の世界で、針金やピアノ線を使った表現技術が導入されるようになり、これまでのペンチやニッパーではとても太刀打ちできず、困っていたという。
昔からのことわざ「必要は発明の母である!」を持ち出すまでもなく、やはり必要とされる世界には、人間の知恵がフル活用すべきなのである。
全長わずか165ミリの赤いグリップを持つニッパーは「パワーアップニッパーPU-266」という名称を与えられているが、一見すると普通のニッパーのようだ。ところが、使ってみると、だんぜんすごい! φ1.8ミリのピアノ線をらくらくカットしてしまうのである。軟線ならφ2.3ミリまでOKだ。このパワフルニッパーには2つの秘密があるようだ。
ひとつは「マルトロイ」と呼ばれる高級なクロームバナジウム鋼を採用している点。2つ目は、よく観るとわかるのだが、支点を2つにすることで、テコの原理を2倍に働かせ、チカラが2倍になる工夫をしているのである。だから、非力な女性が使っても、大きなチカラが刃の部分に伝わり、楽に硬線を切断できるというわけだ。重量は160グラム。マルト長谷川工作所(http://www.keiba-tool.com)