エコカーの軸足が、これまでのハイブリッドカーからプラグイン・ハイブリッド(PHEV)に移りつつある予感だ。本命視されていた電気自動車(EV)はたしかに究極のゼロ・エミッションカーだが、航続距離の短さと充電時間の長さが足かせとなり、いまのところ主役の座から離れている。その点、PHEVは、電気エネルギーがなくなってもハイブリッドスタイルで走行できるし、電気に余力があれば、EV走行で、格安でクリーンな走りができる。そのEV走行距離が技術改善でじょじょに長くなりつつある。
この秋発売予定のプリウスPHEVの全貌が見え始めた。
新型プリウスをベースにしているだけのカタチばかりのフルモデルチャンジではないようだ。大きな柱は、3つある。
そのひとつは、ソーラー充電システムは、これまでの車内の熱気を外に出すだけの役目から、車両の駆動用のバッテリーを充電する頼もしい存在に変身するのだ。ルーフの大半がソーラーパネル化され、DC/DCコンバーターを内蔵し、作り出した電気をバッテリーに充電し、車両の駆動エネルギーとして活用するのである。リチウムイオン電池を従来からくらべ2倍の8.8kwhにし、急速充電時間を20分に短縮して、使い勝手を高めている。
JC08燃費も従来の31.6km/lから37.0km/lに高められ、EV走行もこれまでの26.4kmから60kmと2倍以上に伸ばしている。これなら東京から横浜までEVで走行できるという計算だ。
走りも魅力が増している。モーターのチカラにさらにジェネレーターからの駆動力を上乗せして、より力強いEV加速が楽しめる「デュアルモード・ドライブ・システム」のおかげで胸のすくEV加速性能を楽しめるという。あとは価格がどのくらいまでセーブされるかである。