トラック・バスメーカーの「三菱ふそう」が今年2月から約9ヶ月にわたり、「燃費合戦」という面白いイベントを展開している。「燃費合戦」とは、いかなるものか?
「最新の大型トラックモデルであるスーパーグレートV2016をお客様の実際の仕事・業務で使ってもらい、このクルマの燃費のよさを実感してもらう!」というものだ。ただ、試乗だけだと面白みがないので、横串(よこぐし)として「燃費合戦」を織り込もうというのだ。約250社(物流などのユーザー)を対象に新車50台を用意し、順繰りに実際の業務で使ってもらい、現在使用中のクルマとくらべてもらう。50台の内訳は、AMT(イノマットⅡ:MTの電子制御2ペダル)付きのウイングタイプの大型が30台、トラクタータイプが15台(うち10台はAMT付き)、それにMT仕様のダンプカー。1台のクルマに4週間乗ってもらい、はじめの1週間を慣らし期間とし残り3週間分の燃費を正式データとしている。もちろん、既存の車両との比較をリアルに感じてもらうために、同じドライバーでできるだけ同条件のもとで使ってもらうように進めているという。
燃費合戦の実際は、日本全国を5つのブロックに分け、そのブロックごとの燃費を競うというのがひとつ。2つ目はクルマのタイプ別での燃費合戦。3つ目が地域、駆動輪すべて区別なしに平均燃費地そのものを競うカテゴリー。この3つのカテゴリーでの「燃費合戦」である。肝心の燃費の測定方法は、ひごろの日報での燃費測定(満タン法)とデジタコによる燃費測定の合わせワザを使いかなりの客観性を持たせているという。
一番気になる燃費の結果はどうだろう?
FS8×4(8軸4駆動)のカーゴの場合、他社の燃費平均が3.26~3.75km/lであったのに対し、スーパーグレートでは3.76~4.25km/lと向上しているという。トラクターの場合も、2.35km/lから2.71~3.05km/lへと確実に向上している。乗用車にくらべ数値的には低いが、年間10万キロも走る大型トラックともなると、燃費の良し悪しで年間42万円以上の差が出るというデータも出ている。乗用車にはない世界である。