アイディア商品とは、2つのカテゴリーがある。ひとつは、これまで誰もが考え付かなかったまったく新しい商品。もうひとつは、従来から似たようなものはあったが、ひと工夫ふた工夫で、思いもよらなかった斬新な商品を生み出したケース。3分間で出来上がるインスタント・ラーメンが前者なら、後者はスティーブ・ジョブズが開発の中心にいたⅰPhoneかもしれない。
先日︎アメリカン・タイプの倉庫型巨大スーパーマーケットCOSTCOで見つけた「フォールダブル・ステップ・スツール(無理に日本語に直すと、“折り畳み式踏み台”)」も、まさに後者のカテゴリーである。
工具はおろか、人のチカラさえも不用! 上部の取っ手を持つだけで、踏み台だったのが、あっという間に薄型物体(厚み30ミリ)に変身する。逆に踏み台にするときは、上部を手で押し広げるだけで、チカラは限りなくゼロ。バージン材の樹脂を採用しているとはいえ、これでよく100kgの荷重に耐えられるものだと、ふとクエスチョンマークが浮かぶ。裏側をのぞくとなるほど合点がいった。20ミリ間隔にリブ(RIB:肋骨の意味)が施されているのだ。これなら100kg近いデブがのっても大丈夫と思われる。
使い方は、踏み台としても使えるが、タイヤまわりの修理をするさいの腰掛け椅子として重宝する。価格は、高さ22センチと39センチの2個セットで、1、390円とバカ安だった。ちなみに、ヘルスメーターを引っ張り出し、重さを測ったところ、高さ22センチが1050g、39センチの方は1530gだった。数字でも軽いことが確認できた。