たとえば2つの国を超えてモノをつくる世界といえば、映画の世界を思い浮かべる。言葉の壁、映像技術の壁、機器類の壁を越えて……それ以上のあまりある新境地を目指してふたつの文化がぶつかり合い、いくつもの合作映画がつくられてきた。いまや2つの国の合作映画はさほど珍しくはなくなった。ところが、クルマの世界ではどうだろう? こちらも意外と粛々と進んでいるのである。たとえばルノーとニッサンとか、最近発売をうわさされるマツダのロードスターとアルファロメオのスポーツカーとかだ。ひとことでいえば「グローバル化」。
来年2月発売予定の車両価格2370万円もするホンダのNSXは、アメリカのオハイオ州を生まれ故郷としている。日本での発表は、先日東京ビックサイト特設会場で華々しく開かれたのだが、挨拶にたった開発責任者と生産責任者は、2人ともアメリカ国籍(生産責任者はインド生まれのアメリカ人)。初年度販売数100台だそうだ。
NEW SPORTTS EXPERIENCE(スーパースポーツ体験)を旗印に、「スポーツ・ハイブリッドSH-AWD」を組み込むことで、究極のハンドリングカーに仕上がったという。このスポーツ・ハイブリッドSH-AWDは、ミッドシップにレイアウトした新開発のV6 3.5リッター・ツインターボエンジンと、高効率モーターおよび9速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)、加えてフロントの左右独立モーターなどの組み合わせによりリニアで力強い加速と、すぐれたコーナリング性能を具現化したという。後部を上から覗き込むとチラッとV6エンジンが誇らしげに見える。低く構えた2シーターの余裕のスーパースポーツのエクステリアとインテリアは、オーナーの心をくすぐるに余りある!? 駐車場の手当てとお金の余裕があればぜひマイカーとして手に入れたい1台だが、こうしたクルマは富士山みたいなもので、遠くから眺めているだけでいいのかもしれない。ちなみに車両重量は1780kgと軽い。意図的なのか? カタログには燃費データが掲載されていないところも、エコ疲れしているユーザーには新鮮!?・・・気になり、調べてみるとJC08でリッター12.4km/lと意外と悪くない!?