ドライバーの世界ほど、何でもあり!の世界はない。
たとえば、SUNFLAGの「ラッチェットPRO」は、家庭でちょっとした作業には、ベストフィットであるが、バイクやクルマの整備に本格的に向き合うには、いささか危なっかしいというか、役不足である。
1/4インチ(6.35ミリ)の汎用ビッドを流用でき、ラチェット機構を持ち、付属のビット自体(全長110ミリ)が+1番、2番、3番、それにマイナス6.0の両頭タイプ、ハンドルエンド部には「ヒートン回し」といってプラスアルファの機能も付いている。≪これ1本でいろいろできそう≫なので、いっけん、なかなかよく出来ているように見える。
ところが、肝心のラチェット機構は、わずか10ギアで、なんとも心もとない。ギアフィールは軽すぎ、軸自体のブレが大きすぎて高級感とは程遠い。左右の切り換えは、グリップのスライドボタンを動かすのだが、指で押すとへこみ、軍手で動作させようとすると上手く動いてくれない。
近くのホームセンターで、わずか805円(いまどき日本製でこのプライスは凄い!)で入手した製品。だから「文句言うなよ!」という声が聞こえてきそうだが、それなら間違ってもPROという名称を商品名に付けてもらっては困る。ホーム用とすべきだ。PROとあればプロ向けと思い込み、購入したお客がガッカリして、そのブランドを結果として貶めることにもなりかねない。大阪の老舗ドライバーメーカーSUNFLUGだけに期待値は大きいのである。