乗用車とトラックの整備は、同じクルマなのにこんなに違う!とたまげることが少なくない。
たとえば、ブレーキの摩擦材を考えたい。ディスクブレーキならブレーキパッドだが、ドラムブレーキならブレーキシューである。ブレーキパッドは裏金ごとASSY交換だが、トラックのブレーキシューは、ライニングと呼ばれる摩擦材を取り替えて使うのである。シューごと取り替える乗用車の世界と違いリサイクル思想が昔からあるのだ。
ところが、このライニング交換、リベットでベース素材に留められているライニングを取り外すには、リベットをひとつずつ取り外す作業が必要。このリベット、φ6ミリと8ミリの2種類。10トン・トラックで、片側だけで計36個あるという。これが、4軸タイプだと、合計36×2×16=1152個のリベット。
これをいちいち手作業で抜いたり、カシメたり・・・は大変このうえない。
そこで開発されたのが「BSリベットル」というツール。重いライニングを作業台に置いた状態で、写真のように、すぱすぱと古いリベットの抜き取り&新品リベットのカシメが安全かつ確実にできる。特段のスキルなしにどんどん作業が進む。新入社員はもちろん、アルバイトさんでもできるという。本体重量5.2kg。製造は富岡市の㈱三協だが、扱いは安全自動車㈱だ。