「広田さん、シエンタのエンジンオイル交換そろそろやったほうがいいですよ。ハイブリッドカーの場合、ふつうに使っていてもシビアコンディションなんですから」
旧知のトヨタディーラー一級整備士のKさんからのいきなりのアドバイス。「でも、取説をみると1年または走行1万5000キロごととあるよ。これは従来エンジン車と同じだね。このクルマまだ走行8000キロだし・・・ふつうに使っていてシビアコンディションとは、どういうこと? それにハイブリッドカーの場合、走行キロ数の半分しかエンジンが動いていないので、逆にエンジンオイルの負荷が少なくオイルが長持ちするんじゃないの?」
一級整備士はあきれ顔でぼくの顔を眺めた。
ハイブリッドカーの場合、エンジンの稼働時間が短いので、水温が十分に上がりきらないうちにエンジンを止めることが多い。しかもパトカーや宅配便車みたいにチョコチョコ低速で使う走行パターンが大部分だというのだ。なるほど言われてみれば、油温が十分あがりきらない状態で走ることが多い。となるとオイルの本来の役目である潤滑作用、気密作用、冷却作用などが手薄になる・・というのも納得できる。次のKさんの言葉はとどめだった。「それに油温が上がらないので、オイルパンのなかの空気中の水分が気化されずに結露してオイルに水が混ざり、オイルの機能低下が起きるということも考えられます」
翌日、オイル交換とオイルフィルター交換をしてみた。さすがトヨタ車、フィルターの位置は下にもぐってみるとすぐ見つかり、レベルゲージにパイプを突っ込み上から廃油を抜いたのだが、マニュアルどおり4リッター弱抜けた。フィルターも1NZ系エンジンなので同じものが使えた。
廃油に水分があるかどうか? 廃油をすこしペットボトルに移し換えよく振って翌日眺めてみたが、上澄み液に水が確認できなかった。写真左が廃油で、右が新油。