ハイブリッドカーのオーナーになり、すでに2ヶ月2000キロを駆け抜けた。
これぐらい付き合うと、意外なハイブリッドカーのエクボならぬアバタが見えてくる。結論を先に言うと、前回のエンジンオイルへの過度なストレスもそうだが、今回も実は「エンジンがときどきしか可動しない」ことによるウイークポイントだ。
専門用語でNV(ノイズとバイブレーション、騒音&振動)の課題である。
低速でエンジンが稼動しているとき、やけにエンジン音がうるさいのだ。うるさいのならまだしも、悲しいほど品のないガサツな音が伝わってきて、ドライバーをうんざりさせる。もちろんこれは、EV走行ではウルトラ静粛であることからきているジレンマ。静粛性がこれ以上にない状態のEV走行に慣れると、そのギャップがドライバーを不機嫌にさせるということのようだ。
「ご推察どおりです。普通のドライバーはそこまで気になさらないですが・・・」と答えたのは、この冬発売するプリウスPHVの開発エンジニア。さらに搭載エンジンが、15年ほど前にデビューした1NZ系のいささか旧いエンジンを使っているのでは? と鎌をかけたところ、「実は、ハイブリッドをはじめ電気仕掛けの技術開発で、エンジン本体への開発費が相対的に小さくなっているのです」
17年ほど前に初デビューした頃の1NZをファインチューニングしてはいる。圧縮比を10.5から13.4に高めたり、ピストン回りのフリクションロスを低減したりして、エンジン単体性能を向上させている。でもしょせん、ユーザーから見れば在庫一掃セールのエンジン。エンジン自体の進化はここ10年以上停止している、と見るべきか!? 自動車メーカーに入社するエンジニアはエンジン開発にあこがれる人が多い。余計なお世話かもしれないが、クルマの電子化は、ある意味エンジニアのエンジンへの関心に冷や水を浴びせているのかもしれない。
(写真はシエンタHVのエンジンルーム)