無印の工具をどう評価するか、手こずることがあるが、この場合もそれが言える。
従業員が10万人以上という世界最大の家具量販店のイケヤ。暇つぶしにはちょうどいい場所だ。いつのまにか日本に馴染み始めている。そのイケヤ横浜港北店にぶらりと出かけたところ、999円の工具セットに出会って、つい購入してしまった。見てのごとし、丸い打撃面に付属の樹脂キャップをかぶせプラハンもどきに変身できる250ミリハンマー。これを取り囲むように・・・150ミリのモンキー(アゴ幅最大20ミリ)、同じく150ミリの小型ペンチ、ビット差し込みタイプのドライバー・・・文字通り家庭で使うことを目的にした工具が納まる。これさえあれば、家具の組み付け、おもちゃの修理ぐらいならできそうだ。ファミリーエントリー・ツールだ。
なかでも注目したのは、ビットが12本付きの差し換え式ドライバーである。
ドライバー先端に1/4インチ(6.35ミリ)のヘコミを設けていて、そこに、相手のボルトの頭形状に合わせて、12個のビットを付け替え使うというものだ。ややこしいラチェット機構など持たないので、結果としてガタが少ないダイレクト感を味わえる。驚くべきはビットのバリエーション。プラス1,2,3番は当たり前として、欧州でよく使うポジドライブが3本、ヘキサゴンビットが4,5,6ミリの3つ、さらに先端が尖ったポンチ用のビットもある。この豊富なビットを眺めると欧州の暮らしがなんとなく透けて見える! 面白いことにドライバー本体の長さが170ミリとやや短く、日本人の手に合わせたのではないかと勘違いするほどジャストフィット。グリップフィールも悪くない。
ケチをつけるとしたら、大して役に立ちそうもない開閉が重い小型ペンチぐらいか。ちなみに、樹脂のケースの裏側に、MADE IN CHINAの文字を見つけた。スエーデン製と思ったら大間違いでした。