ディーゼル車の不正データ事件を背景に大きく売り上げが落ち込んでいると思われたVW(フォルクスワーゲン)が、ここにきて元気を取り戻したようだ。
つい最近、“近未来のパーソナルモビリティの再定義”と称してコンセプトカーSedric(セドリック:セルフ・ドライビング・カーの略)を発表した。これは、ドイツ・ポッダム市にあるVWフューチャー・センター・ヨーロッパなどが中心になり、企画・開発・製造した近未来カー。「このコンセプトカーから、VWの今後のクルマが生み出される」というから、VWの本気度は高い。
このクルマは、あくまでもコンセプトカーではあるが、ボタンひとつで誰もがどこへでも、つまりA地点からB地点まで移動できるという本来クルマが持っている自動車の魅力をそのままのモビリティだという。操作は、ボタン接触,音声入力、それにスマホのアプリによる入力で、健常者はもちろん、身体の不自由なシニアやハンディキャップを持つ人にも操作できるところがミソ。もちろんドアの開閉もクルマ自身がおこなう。車内では「個人的なアシスタントに目的地やゆき方、走行時間、現在の交通状況、あるいは途中での休憩の内容についてもまるで友達に話しかけるように語りかけることもできる」という。
完璧EV(電気自動車)で、バッテリーパックは前後のアクスルの上にあり、電動モーターは、ホイールの高さに位置する(おそらくホイールインモーターだろう)。伝統的なクルマのエクステリアに囚われないので、ボンネットもない! 一充電での走行キロ数などの詳細は不明だが、車内にはこれまでのクルマがごく当たり前につけていたステアリングホイール、ペダル、コックピットなどはなく、まるで家の居間にいる感覚で、移動できるという。この動画は、www.discover-SEDRIC.comで観ることができる。