このところのスバル車は、面白い。ある意味“割り切り精神”がある。
ここ数年日本の自動車は、いわば「環境重視&燃費重視ファースト主義」を目指し競い合ってきた。スバルは、どうもこの主戦場から少し距離を置いたようだ。燃費よりも、走りの良さとアイサイトに代表される安全装置を前面に出したクルマづくりを前面に押し出している。これは、むろんハイブリッドシステムという燃費向上装置のカードが手持ちにないための苦肉の作戦というと元も子もないが…。
「燃費だけで勝負されてもトヨタさんには勝てませんから…走行性と安全性でうちはユーザーの心をつかもうとしています」とスバルのセールスマンは語る。「それに、ハイブリッドシステムはイニシャルコストが高いです。これを取り返すには相当走らないと回収できないです」とユーザーのお財布事情を忖度。エンジンは1.6リッターと2リッタ-の2本で、2リッターは直噴タイプだが、いずれも16㎞/l前後とHVカーの約半分と数値は冷酷である。
エコなハイブリッドよりトータルにお財布にやさしいクルマを求めるユーザーもいるという見立てだ。クルマは何も、燃費だけではないですよ! ということのようだ。
カタログには、こんな免罪符的な言い訳フレーズを発見して笑える。
「気持ちのいい走りと高度にバランスした燃費性能!」
ちなみに、新型XVは、先のインプレッサとプラットフォームを共有化しているだけでなく、フードやリアランプなどが共通。バンパー、フロントグリル、フェンダーなどの外板部品で趣を変えている。なんだかトヨタの重役の声が反映したコストダウンに見える。車両重量は、インプレッサより約100㎏重いのはXモードという4WDをより高性能にした仕掛けがつくためだという。
このクルマの褒めるところはどこだろう? 世の中にはラフロードなど走れそうにないかっこだけのSUV(スポーツユーティリティ・ビークル)が溢れるなかで、このXVは、Xモードがつくだけでなく、最低地上高が200ミリと荒れた路面での走行性を高めたディメンションを持つ。ここが多分スバリストたちがしたり顔をするポイントなのかもしれない!? 価格は、220万円台からだ。