「完全自動運転車両の登場は、2022年あたりとして、これから徐々に半自動運転車両が世に出ますよ」
いまどきのニューモデルのニューテクノロジーの世界は、そんな予測で進んでいるようだ。
この夏に登場する予定のスバルのレヴォークとWRX S4に採用される新機能「ツーリングアシスト」と呼ばれる機構はまさに「アイサイト」を大幅進化させた自動運転レベル3である。レベル3のクルマは、すでに日産が先行して市場投入されているが、スバル車にも登場で、今後いっきに増加するとおもわれる。
スバルの「ツーリングアシスト」というのは、高速道路の渋滞路をふくむ全車速領域で、アクセル、ブレーキ、ステアリング操作を自動制御して、運転の負荷を大幅に軽減するというものだ。
「アイサイト」というのは、2008年にスバルが発表したステレオカメラによる前方状況認識と高度な制御で、安全運転を支援する装置だ。
これをどんどん進化させ、人の目と同じように距離を測るだけでなく、クルマや歩行者、区画線などを識別できるほど、広い視野角と視認距離、カラー画像によるブレーキランプの識別など、高い認識性能を持つ。
“目”から得た情報と走行状況をもとに、“頭脳”に当たるソフトウエアが必要な制御を判断し、状況に合わせてクルマの各ユニットを“手足”のように適切にコントロールするというものだ。もちろん、全車速域での追従機能付きのクルーズコントロールも付いている。隣の車線にハミ出さないで、車線の中央にクルマを維持する作動領域を従来の60㎞/h以上からゼロ㎞/h以上へと拡大している。
開発者にいわせると、なめらかで、気持ちよく使えるようにチューニングしたという。このため50人以上のスタッフ総動員で、約10万キロのテスト走行をしている。
日産にくらべ完成度がどのくらい高いかが注目だ。