モノを運ぶ手段は、鉄道、船舶、トラックの3つだが、いまやトラックは全体の9割以上を占めている。ちなみに、半世紀前は、鉄道が物流のチャンピオンだった。
これが交通渋滞を引き起こす一因ではあるが、その陰の部分を小さくしようと、トラクターとトレーラーはどんどん増えている。トラクターは牽引する車、トレーラーは牽引されるクルマだ。いわゆるセミ・トレーラーというものだ。
トラクター(写真)は、キャビンの後ろにカプラーと呼ぶ連結装置を持ち、トレーラーの前方下部のキングピンと連結される。大量の荷物(最大50トン!)を一度に運べるだけでなく、荷台の切り離しができるので、運行と荷役を分離でき、トータルで素早い輸送が可能となる。だから、ここ数年でどんどん街中を走り回るトラクター&トレーラーの姿を見るようになったのだ。カーゴ系、ウイング系、タンクローリータイプ、車載専用車、海上コンテナタイプなどいろいろある。
このジョイント装置「カプラー」をつくっているメーカーに出かけてみた。1963年からだからすでに半世紀以上という国内唯一のメーカーだ。
面白いことに1軸タイプと2軸タイプがあり、前者は前後方向のピッチングのみ、後者はピッチングと左右のローリングにも対応するので荒れた路面でも追従性がいいというのだ。値段が2倍以上することもあり、日本では約7割が1軸タイプだという。
カプラーの重量は、100~250㎏とかなりの重量物だ。
調べると様々な安全装置も付いているものの、安全にジョイントしたり切り離すには、ある程度トレーニングする必要があるようだ。