「3枚合わせに限る! チカラを加えた時のバランスは3枚合わせがより理想に近いから!」
そんな、ウオーターポンプ・プライヤーにまつわる、ある意味“小さな信仰”を後生大事に抱えている筆者。自分でもいささか短兵急とは思いながらも、3枚合わせ! にもかかわらず価格が1500円というのにググっと心ひかれた。
近くのホームセンターで見つけたものだ。
よく見ると中国製で、兵庫県の三木市にあるビッグマン工作所が輸入販売しているという。そこで、眺めたり、触ったり、使ってみると……梨地の仕上がりは、どこか手持ちでいえばスタビレーに近いが、重量自体は、330グラムとスタビレーより100グラム以上も軽い。でも、最軽量級のクニペックスにくらべると、わずか35g重い。
このWPプライヤーの一番のウリは、スライド式のあご幅調整機構である。言葉でいうと物々しいが、下部の柄にピストン式のばねが付いていて、上部の柄を握ると自動で、グググッとばかり、あご幅が縮み簡単につかむ相手の径に合わせることができる。ちくいち両手で、あご幅の調整が不要! ということはスピーディな作業ができるということである。実にこころにくい作りだ。
ただ、惜しむらくは上部の柄の先端にマイナスドライバーを兼ねさせている点だ。良かれと思い、作り込んだつもりだが、使うとき、いちいち気になる。先端部が鋭利な形状なので、いつ手を傷つけやしないか、近くのモノをひっかけないか! とつねに心配になるのである。全長150ミリタイプで、あご幅が最大47ミリと十分であるだけに、実にもったいない。