「2010年に初めてインディ500をこの目で見て、参戦してから8回目、ようやく栄冠に輝くことが…!」昨年のインディ500で優勝を飾った佐藤琢磨選手の10数分間のビデオメッセージは、衝撃だった。単なるレースのスキルや相手選手との駆け引きだけではなく、冷静でクレバーな緻密な計算を駆使しながらの頭脳プレイの末の勝利だということをいやというほど知らされた。バイクのレースに入れ込んでいた若い日のことを思い出した。「トップ・モーターアスリートとは、まるでAIを組み込んだ思考力で、こんなにも複雑な問題を常に考えている!」・・・・超低空飛行を続けていた、その原因を20年の時空を飛び越え、突き付けられた思いだ。
100年以上の歴史を持つインディ500は、2.5マイルのオーバルコースを200周する。
優勝賞金が約200万ドルというだけでなく、延べ55万人の観衆を集めて、147か国で放送され、全米約1000万人がTVにくぎ付けになるビッグイベント。
最高速度時読380キロをマークするインディ500のホンダ製エンジンは、V型6気筒4バルブ排気量2.2リッターながらエンジン重量が112.5㎏と軽く、ボアが95ミリ、ドライサンプ方式。ピストンは鍛造アルミ製で、コンロッドは削り出しの合金製…‥とこのようにスペックを並べると、さほどの迫力はないのだが!? 今回、大岡山の東工大キャンパスでおこなわれた自動車技術会のシンポジウムで、みることができた。