コンビネーション・プライヤーは、少し前までクルマの車載工具の一つとしてラインナップされていた。
この付録のコンビ・レンチ、お世辞にもいい工具ではない。ジョイント部のガタは大きいし、そもそもハンドル部が細くて同じ作業を続けると、指が痛くなる、そんな代物である。お世辞にも、愛着を抱けるハンドツールではなかった。
でも、「タダ(ではないが)ほど安いものはない!」という暗黙の了解で、いつの間にか、このおまけのコンビ・プライヤーは工具箱の中で、定位置を占めて、何か事あるごとに出動し、いつしか、「コンビ・プライヤーはこんなものか」という思考停止に陥っていた! 愚かだったことか!
ホームセンターで手に入れたKTCの定番「コンビ・プライヤー」を手にした瞬間、これまでのことがまるで走馬燈のごとく浮かんできた。自分が思考停止になっていたことを、気づかせてくれたのだ。
品番PJ-150-Sという製品だ。手に持つと、いつも使っているおまけのやつにくらべ、確かに重い。
でも、おまけのプライヤーは、ガタがでかく、使えなくはないが、なんとも貧しい! ホームセンターにて1229円で手に入れたこれは、俄然いいのだ。なにがいいかというと、持っただけで、安心感がまるで違う。グリップのフィール、モノをつかんだ時の確かさ、アゴ幅を広げるさいの節度感。付録のコンビ・プライヤーとは似ても似つかない。月とスッポンとはこのことだ。
こんなことなら、なぜもっと早くこれに変えなかった? 今までのショボい工具を使った時間を返せ! そんな思いが込み上げてきた。ちなみに、重量は200グラム、全長163ミリだ。