「都営バス」は、現在129系統、停留所数1546カ所、車両台数が約1500台という陣容。都内はもちろん、遠く多摩地域のほうまで活躍している。文字通り「都民の足」だけでなく、インバウンド需要で、外国人観光客などの足としても注目されている。
その整備工場に初めて取材した。面白いエピソードを見つけたので数回にわたりリポートしたい。
都営バスは、いうまでもなく路線バス。リアにデカいディーゼルエンジンを載せたRR(リアエンジン・リアドライブ)だ。年間の走行キロ数はどのくらいか? なんと3万6000㎞だという。マイカーの3~6倍である。
かなりあちこちにストレスがたまる。人間でいうと、ときどき身体をもみほぐしたり、ときには悪いところを手術したりするのが整備工場だ。その整備工場は、11軒+1軒だ。前の11軒は、都内あちこちに散らばって存在し、日ごろのメンテナス専門工場(認証工場)。後の1軒は、整備の司令塔ともいうべき車検工場である。言い忘れたが、すべて東京都交通局の傘下である。
前の11軒については、実は数年前から「はとバス」に業務委託し、プラス7軒、つまり合計18軒で日頃のメンテをしている。そのうちの1軒、深川営業所の整備工場に伺った。14名の整備士さん(平均年齢30代前半)がいて、167台の都営バスの保守点検をしている。車歴は平均8年。だいたい14年使用して下取りに出すそうだ。バスは、3か月ごとに定期点検、1年ごとの車検。1日に6台のバスの点検をし、不具合個所を修理するので、忙しそうだ。それでも年間10件前後の路上故障があるそうだ。一番多いのは、EGRバルブの詰まりだそうです。地味な空気が漂う整備工場だった。次回は、同じ敷地内にある指定工場を訪ねます。ここが、すごいバス整備工場なのです! 名称からして「自動車工場」というんですから。