「完全自動運転」(写真は自動運転のイメージ:出典はコンチネンタル)は、大げさに言えば人類の夢だ。
出発の際に、行き先を入力すれば、自動車が勝手に目的地に運んでくれる。その間、ハンドルを握りアクセルペダルやブレーキペダルを踏まなくてもいいので、乗っている人は楽ちん。障害物をよけたりして自動でクルマがスイスイ走ってくれるので、疲れません。車内では、向き合ってお茶を飲みながらおしゃべりを楽しめる。それに、たとえば観光地に出かけた時、行きはハンドルを握って運転を楽しむ、帰りは疲れたから、ドライバーは電車で帰宅。クルマだけ、自動で自分ちのガレージまで自走で帰らせる、なんて芸当もできるかもしれない。
これがトラックやバスなら、いま、どこも人手不足で悩んでいる運転手不足がいっきに解消する。
ところで、自動運転という技術は、5段階で進化するといわれる。レベル1は「運転支援レベル」。レベル2は「部分的な自動運転」のこと。現在販売されている一部のクルマにすでに登場している。高速道路を走行中に、前のクルマと適当な距離を置きながら自動で走行してくれる。カメラやレーダーで前のクルマをとらえながら、前方車両自動追従装置、車線維持装置などの働きで、自動運転を行う。もちろんハンドルから手を離すことは許されません。レベル3では、さらに自動運転の領域が広がる。高速道路など特定の場所で走行中に、クルマが自動で走ってくれる。この限られたところでは、ハンドルから手を離し、たとえば、流れる風景を愛でながらコーヒーブレークを楽しめる。ドライバーはストレスからかなり解放される。でも、緊急時や自動運転システムが作動困難な時には、ドライバーにハンドルを握ることをクルマが委ねます。
レベル4では、さらに自動運転の領域が増える。「高度自動運転」。緊急時の対応も自動運転システムに操作をゆだねます。もちろん、ハンドルやアクセルペダル、ブレーキペダルなどは付いてはいて、ドライバーの気分で手動運転を楽しめる。でも、自動運転のシステムが働いている限り、ドライバーは運転操作をする必要がない、そんな世界。レベル5は、あらゆる状況においても操作自体が自動です。クルマにゆだねられている。「完全自動運転」。クルマが交通状況などを認知して、クルマ自体が自立して動く。だから、この場合、ハンドルやペダルが付いていない、といわれる。(次回に続きます)