「オートノマス(自律運転)」「カーシェリング」「コネクティド」。
このところ、自動車の未来を取り巻くカタカナ文字が、マスコミの世界にあふれている感じ。このなかで一番わかりづらいのは、「コネクティド」なる言葉。
日本語でいうと「繋がる(クルマ)」。クルマが何につながるかというと、他のクルマであり、道路であり、インターネットである。
なかでも、インターネットは、スマートフォンがこれだけ普及したことを思えば、「なぜ、今ごろクルマに?」と思う向きもある。もっと早くに、たとえばカーナビにインターネットがつながれば、お巡りさんにびくびくして、いちいちポケットのスマホを見ないでも、好みのレストランや観光地により安全に、快適にクルマを走らせられるのに!
これはどうも自動車メーカーのエンジニアが、暢気に構えていたというより、「もしバグ(不具合)が生じたら?」とか「ウイルスに侵され、乗っ取られ、いきなりクルマが暴走したら?」という心配があったからだと思われる。でも、すでに一部のクルマにはカーナビをグルーグルマップに切り換えたり、その自動車メーカー独自のネットを検索できる、装置を搭載したクルマも販売されている。
今後は、さらに車車間データやクルマと道路の通信、クラウドコンピューターにつなげて、ビッグデータをもとに自立運転化やカーシェアリングを支える技術にと、果てしなく、クルマとその周辺は進化していく。“もはや自動車は自動車メーカーだけが作るものではない!”そんなフレーズが、真実味を増している。
1960年代、ホンダF1の監督だった中村良夫さん(1918~1994年)に「クルマよ 何処に行き給うや」というタイトルの本があるが、まさにその言葉が重くのしかかってくる。(写真は、コンチネンタル社のコネクティドの構想だ)