“ネジ回し”の異名を持つドライバーは、世の中にどのくらいあるのだろうか?
相手のネジにもいろいろあるが、多数派はやはりプラス・ネジである。ネジの頭にクロスを刻んだタイプ。このプラス・ネジを緩めたり締めたりするプラスドライバーは、1番、2番、3番とある。数字が大きくなるにしたがってドライバーの先端も大きくなる。その下にも0番、さらにその下に00番のプラスがスタンバイしている。0番以下は「精密ドライバー」と呼ばれる。もっぱらよく使うのは2番のプラスである。
今回取り上げるのは、いわばプラスドライバーのチャンピオンである。
チャンピオンといってもいろいろあるが、この場合は、4つのプラスのネジの頭に対応できるチャンピオンである。“マルチサイズのプラスドライバー!”ともいえるが、商品名は『プラドラ名人』。蛇足だが、フルネームの「プラスドライバー名人」を縮めている。
柄と軸が分離できる差し替え式で、早い話6角断面のビットの両端にドライバー先端部を設けた両頭ビット。片方の先端部で1番、2番、3番のプラス・ネジに対応し、反対側には0番のプラス・ネジに対応する。通常のドライバーより短めでコンパクト。重量も76gと軽い。もちろん貫通タイプではない。
プロには、いっけんバカにされそうな工具だが、使うと「なぜ、こんな便利なドライバーが今までなかったのか!」とつぶやきたくなる。購入価格は698円だった。