スパナは、回すべき相手のボルトやナットの6角部に対して、2つのポイントでしかグリップしない。そのため、少なくとも6つのポイントで相手をとらえるメガネレンチに比べ圧倒的に不利。だから、6角部をなめるというトラブルを避ける意味で、スパナの出番がどうしても少なくなる訳である!
でも、メガネレンチにも大きな欠点がある。
メガネレンチは上からかぶせないと使えないのだ。スパナのように、横からするりと相手のボルトやナットに潜り込めない。つまり、スパナの生きる道は依然として残されているのである。具体的には、キャスターのナットを締めるとか緩めるとき、ディスクサンダーのアタッチメントを交換するとき、スパナでないと用を足さない。
モンキー1丁あれば大丈夫? そんな声が聞こえてきそうだ。
それも甘い。モンキーレンチは、アジャスタブル・レンチと英語でいうのだが、その名称ほどにはアジャスタブルでもなければ、万能ではない。アゴ幅がデカいから、使えないことが多すぎるのだ。やはり、そうなるとスパナでないとだめだ! という作業領域がある。しかも、できるだけ肉薄のスパナが要求される個所もある。キャスターのナットを緩めるときなどその典型。
ホームセンターで探し当てたTOPの「超薄スパナ」(略して“超ウス”)は、手持ちの同じサイズの両口スパナの肉厚が5.4㎜に対してなんと3㎜しかない。比較的薄いタイプの手持ちでも4㎜なので、25%も薄いことになる。全長はサイズ10-12㎜で、130㎜前後でほぼみな同じ。アゴ幅も25~27㎜とさほどの開きはない。
ちなみに、重量は薄い分だけに、30~40%も軽く、サイズ10-12ミリの両口スパナでわずか28g(実測値)しかない。ならば、価格が高いのかといえば、意外とそれが良心的。日本製、しかも老舗TOP(新潟の三条市)の製品だ。サイズのバリエーションは、8-9㎜、11-13㎜、14-17㎜、19-21㎜と豊富だ。10-12㎜の購入価格は219円だった。日本製にしては安い。