山崎英志さんは、軽自動車のオーナーさんに警告を発している。
「軽自動車というのは、通常の乗用車に比べボディの鋼板、鉄板ですね、これが0.6ミリと薄くできている。これって、軽量化には大いに貢献して、燃費にもプラスに働くのですが、ボディのサビという観点から見ると、歓迎できな~い!」。
もちろん、コストを抑えるためもある。軽自動車とはいえ、いまや衝突軽減装置といった安全システム、それにバックモニターやドリンクホルダーなどの便利装置も複数付けたり。その反面、フロア回りなどに防錆鋼板といって、錆に強い亜鉛メッキ鋼板を軽自動車ではほとんど採用していないのが普通。それに、いまどきの軽自動車は、複雑な車体構造で、合わせ面が多く、そのぶん錆が発生するポイントが少なくない。そう考えると、ますます、軽自動車はサビによるトラブルに要注意ということになる。山崎さんが言うには、「とにかく軽自動車はメーカーを問わず錆に悩みやすい」。札幌あたりを走る軽自動車は、リアのスプリングが収まるところが、腐食して、車検に落ちる、といったことが珍しくないとのこと。
だいたい、7年目ということなので、3回目の車検を終えたクルマあたりにこうしたことが起きているクルマがあるようだ。
軽自動車以外の普通の乗用車も油断できないそうだ。タイヤが収まるホイールアーチ、あそこにタイヤの走行音を車内に入れない目的で、吸音材が取り付けられている。いまや静粛性はクルマの大きな魅力の一つなので、こぞって付けている。ところがこれが、山崎さんに言わせると、曲者だ!この遮音壁が新鮮な空気の通りを悪くして、湿気をキープしてしまう役割を演じることが少なくない。となると車体側が錆びやすくなる。ひどいときにはブレーキパイプに穴があいたり、ブレーキキャリパーが錆びて、ピストンが固着して動かなくなるとか、整備工場では車検整備に苦労する。そのぶんユーザーの財布が軽くなる。
それと、ディスクローター、ブレーキパッド、ブレーキの摩擦材が挟み込み、制動力を生み出す鉄の円盤、これの内側がなぜか錆びるという。意外な盲点はクルマのボディのフロアのサイドの両端、専門用語でサイドシル、左右のドアが付く下部の袋状になっているところ。ごく小さな水抜き用のドレン、というか穴があいている。ここから水が侵入し、内部が錆び、気づいたときにはひどい状態になっているということがあるそうだ。
不幸にも事故した後、板金塗装をおこなう。溶接で、つなぎ合わせるという修理法。ユーザーが何も言わなければ、溶接個所はそのままになることが多い。となると、数年でそこから錆が発生する!保険会社によっては、保険内で錆対策をおこなうこともあるが、とにかく、板金塗装の修理をする際は、ユーザーの方から、「錆対策をしておいてください!」と一言伝えないとやばいことになる。以上、冬場の融雪剤に始まり、ホイールアーチの吸音材の内部のサビ、サイドシル内のサビなどなど、錆にまつわる現状報告をしたモノだから、なんだか不安をたきつけた!?
安心してください。解決法があります。出来れば新車時が理想だが、中古車の場合、やれば、そこからでも効果が期待でる!
錆びる可能性のあるところ、具体的にはフレームのなか、袋状の部位、たとえばサイドシル、フロントメンバー、リアのスプリングシートを支えるメンバーなどなどに、防錆ワックス、英語でいうと「キャビティワックス」、これを吹き付けておく。スプレー式で、カーショップやネットで手に入る。1本3000円弱、1台処理するにはだいたい2本あればいい。6000円弱。
カーディーラーでも、こうした防錆処理をおこなっていることがある。6000円というわけにはいかないが、プロに頼みたいと思えば、こちらですね。