今年2019年は、5G(第5世代の移動通信システム)の商用化が世界的に進むマイルストーン・イヤーだといわれている。自動運転システムやコネクティドカーには欠かせない移動通信システム。日本でも、来年2020年のオリンピック・パラリンピックにターゲットを合わせ、5Gのプリ商用サービスが始まる一方、5Gを搭載したスマートフォンの発売も予定されている。
5Gは、現在の4Gに比べ「高速・大容量(従来の10~100倍!)」「低遅延(1ミリ秒以下!)」それに「多数の端末との接続」、この3つがキーワードだ。
そこで、先月パシフィコ横浜で開かれた自動車技術会で展示されていたのが、「車載用の5Gガラスアンテナ」である。
これは、フロントガラスだけでなく、側面ガラスにも取り付け、左右前後に複数分散設定させることで、さまざまな角度から到来する電波を高い強度で受信するのだという。世界初の28GHz帯対応の5Gガラスアンテナ。
従来のアンテナとは異なりやや奇妙な形状をしているが、意外とコンパクト。基盤はフッ素樹脂がベースで、合成石英を採用しているという。車両のデザインを損なわない商品デザインにしたのが大変だったという。
これを試作し、実験で確認し製品化しつつある企業は、NTTドコモ、AGC(アサヒガラス)、それにエリクソンジャパンだ。エリクソンは、19世紀の電信機の修理工場から端を発したスエーデンの老舗通信機器メーカーである。