今回取り上げるのは、アストロプロダクツ製のコンビネーションレンチ12mmである。
ごく近く、自転車で15分、以前にはコンビニが入っていた幹線道路の脇にアストロプロダクツがオープンした。
台湾製を中心にしたハンドツールで、ここ数年ぐんぐん店舗数が増え、ごくごく身近になった工具屋さんである。とにかく、アストロプロダクツは、安くて品質もそこそこ、というのが受けている理由だ。
かつてヤナセで長年メカニックとして活躍していた友人が、バイク屋さんをオープンするにあたり急いで揃えた工具や機器類はほとんどすべてアストロプロダクツと聞いて、思わず「へ~っ!」と驚いたことがある。あれから10数年たつが、インパクトレンチに不具合があった、あるいは作業台に据え付けて使う万力(バイス)の塗料がはがれたり、鋳物本体の出来が良くなくガタが初めからあった。そんな多少の不満があったようだが、あらためて聞いてみると「意外と信頼性もそこそこで、コスパが高くていいと思いますね」という答え。
このあたりに、アストロプロダクツのビジネスの極意があるのかもしれない。
そんななか、アストロの企業案内をチェックしてみたら、面白い記事に出会った。TOP MESSAGE(トップメッセージ)と称して、いまの時代、まさに工具ブームであり、「女性がバッグを選ぶように、男性が工具を選ぶ時代」だというのだ。その背景には、3つの理由をあげている。ひとつは、完全週休2日制で「ゆとりの時代」だから。2つ目の理由は「コストパフォーマンスに優れた工具の登場」。そして3つ目が「ファッション性が高く、眺めているだけで楽しくなる美しいデザイン」。
なるほど、アストロプロダクツのコンセプトは、かなりいいセンをいっている。ネットでも、近くのリアルショップでも購入できるとなれば、とりあえず鬼に金棒!? …‥あとは、ブランド力である。伝説に裏打ちされたブランド力が必要となる。
あらためて12mmのコンビレンチを身体検査して眺めてみると、じつによくできた製品だ、と思う。税込み528円。見た目のあまり変わりないスナップオンがAMAZON調べで6389円だから、なんと1/12の超お手軽価格。この価格差をどう読み解くのか? あまりの落差にただボーゼンとするだけだ。