「ラチェットドライバーTD-6818MG」は、今年9月に登場したばかりである。
誉めすぎになるが、これまでの製品と異なり、ベッセルの挑戦を感じる。従来型では、ギア数20のおよそ保有する喜びを感じさせないラチェットドライバーで、お茶をにごしてきたベッセルだったが、ギア数72ということからも容易に想像できる。かなり本格的なラチェットドライバーに近づいた。細かいギア数のおかげで、少ない手首の返しで、締め込み&緩め作業ができる。チチチッというラチェット音も悪くない。
スナップオンを代表とする先行するコンペティターとは、一線を画す斬新なデザインは重厚感こそないが、好感が持てる。透明の植物由来系のセルロース・アセテート樹脂製グリップには、付属のビットが透けて見える。圧倒的なのはビット数である。プラスが3つ、マイナスが6ミリ、それにヘックスが2,2.5,3ミリ、トルクスのイジリ止め(普通のトルクスでももちろん使える)がT10HからT40Hまで7本、ビット数計16本。確かなものと感じさせるのは、ガタが抑制されていること。筆者手持ちのPBのラチェットドライバーとほぼ同じぐらいだから、合格といえる。ビットとの勘合がマグネット式なのが効を奏しているようだ。ただ、ビット収納はハンドルエンド部にカセット式での収納だが、着脱にややコツを要する点。それと切り換えを示すマークが分かりづらいので、手暗がりでも左右の切り換えが分かる工夫をするべきだ。重量は157グラム。価格は2600円前後で、お買い得である。