エコカーの代表選手・ハイブリッドカーの先頭を走るトヨタのプリウスがこのほどフルモデルチェンジされた。
従来型車の32.6km/lからリッター40.8km/lへ大きくジャンプしたのも魅力(メイン車種は37.2km/lだけど!)だが、もうひとつの注目はE-Fourが登場したことだ。リアにモーターを付け、ときどき4WDになる“電気式4輪駆動車”である。
どんなとき有効かというと、濡れた路面での発進時、雪道などだ。とにかく路面の摩擦抵抗が低いときに安定して走れるのである。たとえば、冬の早朝など幹線道路から自宅の駐車場に向かうとき、路面が凍結した坂道で、スリップして登れなかった経験のある読者なら痛いほどわかると思う。
樹脂シートのうえに洗剤を吹き付け、意図的に摩擦抵抗0.1ほどにした路面で発進したところ、通常の2WDではリアタイヤはふらつき不安定となった。ところが、E-Fourだと、多少荒いアクセルワークでも、ごく自然に安定して前に進むことができた。駆動の状態をリアルタイムにインパネのディスプレイに表示するのもうれしい。乾燥路面での発進時にも、このディスプレイにより、後輪駆動が得られていることがわかり、発見である。
開発者に聞くと、モーターを狭いスペースに収めることが一番の難題だったという。リアサスがダブルウッシュボーン・タイプなので、ロアアームがセンナ-に張り出しているから余計だったようだ。ちなみにE-Fourだとノーマルの2WDにくらべ重量で約70kg重くなり、価格ではおよそ20万円アップ。なお、新型プリウスの車両価格は、242万円台からだ。