峠道のワインディング・ロードでは「マニュアル(M)モード」だったクルマが、ハイウエイに入った。ドライバーシートに座るK氏は、すぐさま音声入力で今度は「自動運転モード」へと切り替えた。モード変換が完了したのを確認すると、ハンドルから手を離し、オフィスと連絡をとり車内で秘書嬢と打ち合わせる。助手席のディスプレイには、TV電話で相手の顔を見ながら朝のコーヒーを飲みながら会話。今日のスケージュールを把握したKは、オフィスに到着。このあいだKは、ほとんどハンドルに触れていない。パーキングの手前で降りると、彼は颯爽とオフィスに消えた。残されたクルマは、Kが事前にスマホでセットした駐車位置にクルマ自らが動き、駐車完了。
「今日午後2時にタイヤ交換あり」という命令を受けていたKのクルマは、そののちひとり(1台!?)で駐車場から出て、近所の修理工場へ入り、タイヤ交換を終了。プログラムどおり、速やかに、駐車場に引き返す・・・
メガサプライヤーのボッシュが、このほど渋谷の本社で記者会見を開き、「コネクティング・カー」のデモンストレーションをした。これは、そのときの要素を描いたものである。いまや「クルマもインターネットなしには動けない時代!」なのである。「コネクティング・カー」とは、文字通りインターネットとつながるクルマ、の意味だ。むろん、その狙いはドライバーの疲労を軽減し、高効率な時間をすごす・・・「クルマの現在地/マップデータ/クラウド情報」この3つを把握していれば、すでにクルマに付属したカメラ、レーダーなどの複数のセンサーが、前方の障害物や交通状況を把握し、危険を避け、レーンキープサポート機能で車線を維持し、渋滞路ではトラフィック・ジャム・アシスト機能が働き、万が一の場合でも自動的に障害物を避ける。
・・・これが、まさに2021年を目処に世に登場する近未来のクルマ生活だ。すでに日本での自動運転システムの実証はほぼ完了していて、技術的課題がほぼ解消。あとは法的課題を摺り合わせるだけだという。