ばくぜんと図書館というと「すでに死んだ本がずらり並ぶ場所」というイメージを持つかもしれない。でも、目的意識をいだいて図書館に赴けば、世界はちがって見えてくる。
これまで取材で何度も訪れた愛知県長久手にあるトヨタ博物館に1月の連休を活用して、出かけた。その時は、とくに何がという目的意識を持たなかったのだが、グググッと好奇心が頭をもたげたところに出くわした。
新館ができたとき3階に併設されたライブラリーだ。
ふつうの図書館から見たらミニであはるが、すべてクルマに関する本や雑誌がこのなかに整理して留まっていると思ったら、エンジン音が聞こえてくるのではないかと思えるほどドキドキした。自動車の歴史、伝記、企業史、アメリカ、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、日本という国別のクルマの単行本、自動車工学、自動車のデザイン、モータースポーツそれに自動車のコミックというカテゴリー別にずらりと開架方式で整理されている。もちろん外国語の本もある。開架方式というのは、閉架式の逆で利用者が手にとれるカタチで整理されていることだ。雑誌のバックナンバーや新刊雑誌も見ることができる。筆者が長年関わった「オートメカニック」は残念ながらなかったが、10年以上執筆者の一人として関わった「自動車工学」は全巻揃っているようだ。カタログも充実してストックしている。旧いクルマの詳細を知る聖地、と呼んでいいようだ。
とにかく自動車について広く学べるところであることは間違いない。姿勢を正して資料を読み解く机もあるし、ゆったりとくつろぎ名車アルバムを楽しむソファーもあり、半日は楽しめる。ただし、コピーサービスや館外貸出しは行なっていないのが残念。問合せは☎0561-63-5151。