掴んで回してみると、「うん、これはアメリカ人向けにつくったスタビドライバーに違いない! 日本人の手には持ち倦(あぐ)ねるほどだ」。
第1印象の通り、名称に「ビッグボール」という文字が入る。スタビタイプとはいえ、これほどまでにずんぐりとファットなドライバーのグリップ部に遭遇したことがない。
メジャーで測定してみると、一番太いところの外周が160ミリ、直径が50ミリ、全長がビットを付けないで85ミリ、付けると100ミリ。重量も実測で123グラムと、やや重い感じがする。だから、白と黒の2トーンで軽やかに見せようとしている!?
「ちょっと、デカすぎて使いづらい・・」と思いながらも、グリップエンドのキャップを回すと、8個のビットがポコっと顔を出した。プラス1番、2番、マイナス4と6、それにヘキサゴンビットの2、3、4、5ミリの計4個が、まるで拳銃の弾倉のように円周状に収まる。美しい佇(たたず)まいだ。
その1本を取り出し、使ってみるとギア数36のせいもあり、ラチェットフィールは軽やか。左右の切り換えは手で確かめる必要があるのが難であるが、ビットの入れ替え作業などはとくに不便を感じない。大きなトルクをかけられそうもないので、自動車の整備やバイクの整備には不向きかもしれないが、家庭で使うとかホビーで使うぶんには重宝する、そんなツールとみた。
価格は、近くのホームセンター・コーナンで、825円だったが、この原稿を書いている時点でのネット調べで、「庫ざらえ商品」(在庫処分の意味)として350円(税別)で売っていた。半値以下とは・・・。正式な商品名は「ビックボールスタビラチェットドライバーセット」である。台湾製だが、㈱コーナンが輸入販売を担当。