数年前から街のガソリンスタンド(SS)がどんどん消えている。
あわてて統計を調べると、いまから20年ほど前の1994年に全国で約6万店舗あったガソリンスタンドが、いまや半数の3万2000軒ほどだという。都心ほど減少傾向がつよいようで、実感ではそれ以上だ。
SS激減の原因はいくつも挙げられる。燃費のいいハイブリッドカーなどエコカーの登場による売り上げ減だけでなく、経営者の高齢化と後継者不足による廃業というケースが多いようだ。肝心の地中のタンク(約4万8000リッター。ハイオクやレギュラー、軽油などの3層構造)は、耐用年数40年となっていて、旧いガソリンスタンドでは、この回収&更新作業が必要で、これも廃業のキッカケとなっているようだ。
20年後には電気自動車や燃料電池車が多数派になるとの予測とはいえ、完全に化石燃料に背を向ける生活にはならない。このままではユーザーにとっても不便さを感じるし、「うっかりするとガス欠でエンコ!」という、危機感も覚える。
『コンパクト・ガソリンスタンド』が注目されつつある背景にはこうした事情があるようだ。
「整備工場の片隅100坪ほどの敷地があれば建設可能です。費用ですか? 通常のガソリンスタンドが7000~8000万円が相場ですが半分以下の3500万円から建設ができます」(担当者)という。修理工場にガスステーションがあれば、修理工場としてもわざわざ宣伝もしなくても顧客が集まり、一石二鳥というわけだ。いままで一部のガソリンスタンドで、車検の代行業〔窓口〕があったが、修理工場なら、車検ビジネスをダイレクトに展開できる。こう考えると、いいこと尽くめで、マイナス要素があまり見えない? このSSの運営会社『サンフィットジャパン㈱』はいまのところの実績は29店舗に過ぎないが、今後激増するかもしれない。