「クリーンディーゼルの高性能インジェクターのテスターが日本初上陸したんですよ」
先日お台場の東京ビッグサイトでおこなわれた「国際オートアフターマーケット」でのひとコマ。
ディーゼルエンジンのインジェクターと聞いても、「ああ、あれだね!」とイメージできる読者はごく少数かもしれない。エンジンの燃焼室に燃料である軽油を1000バールから2000バールという超高圧で吹き付ける最重要な精密部品である。ソレノイドバルブを動かす電気装置も組み込まれているため、不具合が出ることもあるという。
これまで、エンジンの不具合が疑われればノーテンキに新品に取り替えるしかなかったが、このテスターがあれば、目視で噴霧状態を確認し、噴射量を緻密に測定でき、即座に良否判定ができるという。
「インジェクターはボッシュ、デンソー、デルファイなどの部品メーカーが作っているのですが、いずれもテストできます。ディーラー工場や整備工場さん向けのテスターで、価格は130万円です。インジェクターには、個々の噴射特性を微妙に変更するチューニングをする必要があるのですが、これをチューンする機能を持つテスターはその上のプロ向けで350万円です」
かなりマニアックなテスターだが、面白いことに、操作画面にはタブレット・コンピューターのような8インチのタッチパネルが組み込まれている。そのため、とくにスキルを必要とせずに誰にでも扱えるという。しかもWIFIに対応して、データをパソコンに送れ、プリンターに繋げばプリントアウトできる。ちなみに、このテスターは、ギリシャにあるCARBON ZAPP社製で、日本ではターボチャージャーとディーゼルの噴射ポンプの再生専門メーカーの㈱昭和(☎052-751-3493)が代理店だそうだ。もちろん乗用車ディーゼルインジェクターにも使えるが、おもにトラック&バスの需要のようだ。