このところ、トラックの本作りのせいか、いつも頭の中にトラックエンジンの音が響いている。「ゴ~ッ!」て感じ。落ち着いて考えると、何のことはない……加齢による「耳鳴り」だった。
それにしても、トラックのエンジンはすごい。重い荷物を積んで乗用車と伍して高速道路や山坂を登ったり降りたり……。最近の大型トラックのエンジンは、直噴インタークーラーターボ付き6気筒エンジンで、排気量が8リッターとか9リッターが主流。少し前まで13リッターが普通だったので、トラックの世界でもダウンサイジング化がここでも起きている。
なかにはスポーツカーのようにターボが2個付いているものもある。驚いたのは、通常コモンレールタイプが主流の時代に、ユニットインジェクターを採用しているエンジンもある。UDトラックスである。もともと日産ディーゼル時代にも2サイクルのディーゼルを開発したり、ユニークさを持っていたが、ボルボに買収されてもオリジナリティを忘れていないようだ。
一見コモンレールのようにレールが見えるが、よく見ると6個のうち3本がユニットインジェクター。ユニットインジェクターは付属のプランジャーで高圧にするので、高圧ポンプがないのでコスト的に有利。UDトラックスのGH11エンジンは、ユニットインジェクターで高圧にし、それをいったんレールに溜め、ポンプが付いていないインジェクターにも高圧燃料を供給するというスタイル。これならコストを下げられる、なかなか賢いデザインだ。最高燃料圧は、240MPa(メガパスカル)だという。最高出力は420PSである。これをわずか1600rpmで発生する。採用しているトラックは大型の「クオン」だ。