グリップ部が球形をしたドライバーである「ボールグリップタイプのドライバー」は、どちらかというと、自動車整備用というよりも電工用である。でも、このボールグリップを好む読者もいるようだ。丸いので、握りやすく、回しやすいというのである。
今回見つけてきたのは、老舗のドライバーメーカーであるベッセルが、創業100年を記念したドライバーだ。もともとは木柄のボールグリップタイプだが、平成のいまは、当然ながら樹脂製である。硬めの樹脂の上に手が触れる部分を柔らかめの樹脂をあしらうというハイブリッド構造。その柔らかめの樹脂に、ゲル状のタイプを採用している。指で押すとグニュッという感じで、へこむ。ネジを締める感じで握ると、密着度が確かに高いのが感じる。
「なるほど、これが新感覚というのだな!」と確認できた。
1/4インチ(6.45ミリ)幅の軸の両端は、プラス2番とマイナスの6ミリで、差替え式のドライバーである。軸に磁力を与える小道具が付いているので、ネジを取り付けたり取り外したりするとき、ネジがぽとりと落下する恐れがまずないのもいい。ただ、軸自体を指で揺さぶると、がたが少なからずあり、ややがっかりさせられる。そのぶん剛性感が薄れるというわけだ。
やはり、これは、家庭用のドライバーにとどめておくのが無難。本格的な整備には向かないようだ。価格は、698円だった。