博物館や図書館は、すでに死んでいる“過去の遺物”を置いてる倉庫にすぎない!
学問から背を向けて青年期を送った筆者は、実は、そんなふうに長く博物館のことを考えてきた。
ところが、当方が大人になったせいなのか、はたまた博物館の方がじょじょに「見せる技術」が向上したせいのか、なかなかに侮れない存在であることに気がつきはじめた。
いすゞの創業当時の古いトラック・バスの復刻版を見ることもできるし、エンジンのモノづくり、シャシーからボディのモノづくりの動画を楽しめる。話には聞いていた「大型トラック一台が走れるシャシーダイナモ」の模型の断面を眺められる。このダイナモは、いすゞ独自のもので、気温・湿度・気圧を自在に設定して、世界中どこの環境の道路でも再現でき、詳細なデータをとることができる装置。メディアですら入れないとされている。模型だが、このなんたるかが分かるのである。
このほか、新旧のディーゼルエンジンの外観を眺められるし、トラックのドライビング・シミュレーションを楽しむこともできる。
幼児から大人まで、奥行きの深い展示物、好奇心を揺さぶられる展示品が並ぶ。今年3月にオープンしたいすゞの「いすゞプラザ」は、なかなか見ごたえがあった。最寄りの駅から1時間に2本のシャトルバスが走るし、駐車場も備えるだけに、盛況だ。平日は予約だが、1月先まで予約でいっぱい。ただし、土日は予約なしで入れる。土曜日に出かけてみたところ、ファミリーや昔を懐かしむシニアたちでいっぱいだった。入場料無料というのも魅力である。