「子供のころにこんなイベントがあったらな~っ!」
思わず、そんな思いが込み上げてきた。先日、パシフィコ横浜でおこなわれた小学生のための「キッズエンジニア」である。日ごろ、次世代型車両や新しい自動車部品などを研究開発している大人のエンジニアたちが、子供のために自動車のメカニズムをやさしく説明したり、科学する喜びを体験してもらおうと様々に工夫を凝らしたイベントだ。
そのひとつに『ファンビークル:クルマの仕組みを体験しよう』(本田技研が担当)というプログラムがあったのだ。クルマといっても、写真でもわかるように一人乗りのレーシングカートだ。F1マシンのミニマム版! いまにも、音速でサーキットを駆け抜ける、そんな思いに子供心を掻き立てるマシンである!
実際には、電動アシスト自転車の電池を使った歩くほどの速度しか出ないマシンなのだが、子供のココロには突き刺さるフォルムだ。
しかも、このマシンのタイヤとサスペンションを4人一組で、子供たちの手で交換するのだ。
柔らかいタイヤとサスペンション、逆に硬いタイヤと硬いサスペンション。この2つの部品(といっても1台に各4個だから、トータル8個)を交換して、乗り心地を味わう! というものだ。生まれて初めて工具を持ち作業する様子は、初々しくて新鮮だ。
コースの途中に突起を設けいているので、乗り味はすぐわかる! 「タイヤとサスペンションを替えただけなのに、ガタガタしていたのが、スイスイいくようになり、僕びっくりしたよ!」そんな黄色い声で、自動車評論家真っ青な鋭い感想を述べた坊やもいた。ちなみに、女子の小学生は、おしなべて運転が上手だった。たぶんこれは、ふだん運転するお父さんの横で、ドライビングを観察しているからだと感じた。