カーブミラーといえば、見通しの悪いT字路に設置されている装置。曲面鏡でしかなかった。ところが、自動運転車時代に突入すると、このカーブミラーに様々な付加価値が期待されている。
「国立研究開発法人・情報通信研究機構」という国の組織がこのほど発表したのは、いささか度肝を抜く。いっけん何の変哲もないカーブミラーではあるが、さまざまなセンサーを組み込んで、近くを走るクルマの存在や速度、それに障害物の位置などをリアルタイムにとらえ、近くを走るクルマに素早く伝えようというものだ。具体的にはカーブミラーにステレオやLRF(レーザー・レインジ・ファインダー)を内蔵し、第5世代の高速通信システム5G(現在スマホなどで主流の4Gより約10倍速いといわれる)を使い、周辺の自動運転車両に的確に素早く、こうした情報を伝え、安全な運行を手助けする。いわば「知的交通インフラ」といえる環境作り。
こうした路車間、つまり道路とクルマの間の通信は、地方自治体がになうのが原則。
ということは官と民が一体で、今後こうした道路整備がおこなわれるということになりそうだ。そこで、システム・エンジニアの担当者に課題を聞いたところ、「やはり小型化と省電力化が課題です」とのこと。とくに処理プロセスが高機能化するので、高い電力が必要となる。そこで、ソーラーチャージャーほどでまかなえるほどに省電力化が不可欠だという。